先週の金曜日(18日)に、オーストラリア・ニュージーランドに関する農畜産関係の情報誌「ウェルス(Wealth)」での連載 「パースで暮らす」の第2回が掲載されました!
当ブログの過去記事から、担当者さんが抜粋し編集して、掲載してくださっています。
よかったら是非、上記リンクより見てみてください。
今回は、私が料理で使う基本の調味料として、『豪酒』(オーストラリア産の日本酒)が登場します。
掲載に関し、今回改めて『豪酒』についてパースでの入手事情を確認したので、ブログにアップしておきたいと思います。
豪酒、西オーストラリアでの流通事情
以前、からあげのレシピの記事でも書いた通りですが、パース周辺のDan Murphy’s(リカーショップ)では、豪酒を店頭に置かなくなった(現在は通販で購入可)という話を店員さんから聞きました。それが半年ほど前のことだったのですが。
今回「ウェルス」への掲載に際して、担当者の方がなんと、豪酒の製造会社「サンマサムネ」さんへ取材をして確認してくださいました。
それによると、今年から卸業者が変わったらしいということ。
それにより、何かしら西オーストラリアへの流通事情が変わった、ということはありそうです。
もう一つは、豪酒の醸造所はシドニー近郊にあるそうですが、やはり東側から西オーストラリアまでの輸送コストの高さや、運搬途中での破損などといった問題があるそうです。
オーストラリアの東側での流通に比べると、西オーストラリアで流通させるのは、色々と難しいようですね。
本当にオーストラリアは広いし、トラックで運ぶとなったら、何日もかけて荒れた道を通らなくちゃならなかったりするのかなーって想像すると、ちょっと納得します。
また、10日ほど前に、久しぶりに日中韓食品店のLIONに行ってみたんですが、豪酒はまだ置いてありました。
ちなみに、「2本以上買うと20%OFF」というセールをやっていたので、まだ家にストックがあるにも関わらず、私は2本買いました(笑)。元値は1本$19.98でした。
その時に店員さんに「パースのお店では『豪酒』ってあんまりストック置かなくなってるの?」と聞いてみたところ、
「この辺では日本からの輸入物の日本酒の方が人気なのよー。やっぱりお酒として飲むんだったら日本産の方がよい、とこの辺の人達は思っているみたいよ。日本製造の日本酒に比べると、豪酒は価格も安いし、飲まないにしても、料理に使うにはいいと思うんだけど。」
と店員さんは言ってました。
東洋系のお姉さんでしたが、会話は英語だったため、正確な訳ではないかもしれません・・・。
ただわかったことは、パースでは「豪酒」よりも、日本からの輸入物の方が好まれている、ということ。
日本産の日本酒は、豪酒の倍くらい値段高いんですけどね。銘柄にもよりますが。
そして、LIONさんでは豪酒は今後も入荷するのか、と聞いてみたところ、
「うちも、今のストックが終わったら、もう入荷しない。あれが最後だよ。まあ、もしも今後お客さんからの要望が多ければ、また入荷するかもしれないけれどね。今のところその予定はない。」
と言われました。
そっかー・・・豪酒を愛用(愛飲?)しているパース在住の方は、LIONさんに急げ!
あと、ウェルスの担当さんに教えていただいたのですが、Dan Murphy’sの他、De Vine CellarsとLiquor Baronsでも豪酒は取り扱っているとのことでした。
それで、つい先日、De Vine Cellarsに行ってみたのですが、確かに置いてありました。
価格は、Dan Murphy’sやLIONと比べると、$5ほど高めの値段設定でした。
Liquor Baronsは行ったことがありません。近くにお住いの方はチェックしてみてください。
私は今後も、Dan Murphy’sのネット注文でまとめ買いする予定です。
参考)
◆LION ORIENTAL FOOD CO.
13 Fitzgerald Street, Northbridge Perth 6003,
Tel :(08) 9228 9898
◆De Vine Cellars
911 Beaufort St, Inglewood WA 6052
Tel :(08) 9271 9197
(他店舗もあり)
◆Dan Murphy’s
豪酒 オンライン注文 → Go-Shu Sake 740mL (Dan Murphy’s: online)
ところで『豪酒』ってどんなお酒?
ところで、この「豪酒」を製造しているのは、『サンマサムネ』という会社で、約20年前に、日本の有名な清酒会社「小西酒造」が人と技術を派遣して設立したんだそうです。
この会社は、シドニー近郊のペンリスという町にあるそうですが、すぐそばには世界遺産(自然遺産)のブルーマウンテンズがあります。
100万ヘクタールという広大な地に、原生林や渓谷、滝など、豊かな自然を残しているという、ブルーマウンテンズ。
「豪酒」の仕込には、この伏流水が使用されるそうです。
日本では、日本酒の製造に使用する水は、鉄やマンガンの含有基準が大変厳しく、これらの成分を限りなく含まない良質な水が求められるそうです。そのため日本の醸造所も水の確保には腐心しているらしいです。
が、このブルーマウンテンズの伏流水は、鉄やマンガンを含まない水質らしく、日本酒の製造には大変適しているということです。
また、使用されている米は、オーストラリア産。日本のお米と近い中粒米(midium grain)のジャポニカ種が使われているそうです。私もオーストラリア産の中粒米(スシライスなど)をよく食べますが、普通の感覚で食べられます。もちろんオーストラリアのお米は遺伝子組み換えではありません!
豪酒の原料は、米と米麹と水のみ。醸造アルコールや他の添加物などは一切加えられていません。
しかも、50%ほど米を精米しているということで、「純米酒」の中でも比較的グレードが高いと分類されます。
・・・と、とりあえずネットでザッと調べてみただけなのですが・・・。
どうですか?実は、驚くほど高品質なんですね、『豪酒』。
ただ残念なことに、私自身は、日本酒はお酒としては飲まないんです。なぜか、体質的に飲めないんです。(ビールやワインは飲めるのに・・・)
だからお酒としての味は、正直わかりません。飲めるなら飲んでみたいです。
でも、日本の家庭では、料理にも日本酒って結構使いますよね?
私も、たとえばテリヤキっぽいタレを作ったり、煮豚を作ったり、中華風の炒めものや蒸し焼きにもよく使います。
日本酒って、調味料としても必需品だと思うんですよね。
日本にいた頃は、私は安い、いわゆる「料理酒」を使っていました。「お酒」と違って高い税金がかけられていないため、安く買えて助かっていました。が、このような料理酒は、アルコールの他、食塩や水あめが添加されていることが多いです。つまり、料理の味を調整しづらい面があると思います。
また、添加物が入っている場合もあったり、原料の米が国産か外国産かなどもわかりづらい、など、品質面で気になる人もいるかもしれませんね。
確かにそういった「料理酒」は、パースでも(日本やアジアからの)輸入物が売られており、割安ではあります。が、私自身は今は、「豪酒」を愛用しています。値段と品質のバランスを考えると本当に満足しているんですよね~。
「日本のものは日本でしか作れない」は思いこみかもしれない
オーストラリアに来てみて、日本の外にも素晴らしい食材があり、しかも日本の食文化と予想以上に相性が良い素材があることを知ったのは、私にとって素直な驚きでした。
逆に、今の日本の自然環境は、本当に日本の歴史ある特異な食文化を維持し保存していくだけのクオリティを保っていけるのか・・・ということも考えさせられます。
日本の豊かな食文化を守るために、それを育んできた自然を守らねば、と気づいてがんばっている生産者や消費者も確かにいますが、特に日本の政治や経済界は意識が弱いと思わずにはいられません。狭い国土に化学工場をどんどん建て、過去には深刻な公害も起こして来たし、地震の多い島国に原発を54基も建ててしまいました。
一方で、海外の自然の恵みを利用し、アレンジしながら、日本の伝統ある食文化を発展させていくことに取り組んでいる人々も存在するんですよね。そうした取り組みを知ると、「日本のものは日本でしか作れない」という思い込みを飛び越えていくそのしなやかさ、果敢さに、私はつい魅力を感じて応援したくなってしまいます。
オーストラリア旅行のおみやげとして、「豪酒」を購入する方もいるようですね。
日本でも販売されているのかな。日本の方にも飲んでいただきたいです。
この会社はシドニーの方にあるので、私は訪れたことはないのですが、醸造所見学ツアーなども行っているようです。
私もいつか見学してみたいと思っています。