西オーストラリア南西部をめぐる家族キャンプ(2)。アルバニーで人間の小ささを知る。

最終更新日時 : 2016年3月16日

西オーストラリア南西部をキャンプでめぐる旅、第2弾です。前回はこちら
キャンプサイトで予想外の問題に合ってしまった私達家族のその後・・・。

 

キャンプサイト変える?

翌朝・・・5時半くらいに目覚めてトイレに行くと、もうハエさん達は元気に飛び回っていました(^^;;

暑さとハエで、娘はすでにどんよりムード。

day2-1 

やれやれ。

景色はこんなに素晴らしいですが、

day2-2

楽しむ余裕もなし。

誰も朝ごはんを食べる食欲もなく、とにかく一刻も早くアルバニーへ向かうことにしました。

途中、Albany Hwyを走っていると、Mount Barkerというところにキャラバンパークを発見。
ハイウェイ沿いにあり、自然を満喫するタイプのキャンプ場ではないけれど、施設はきちんとしている印象。
夫と二人で「もしかして、ここ空いてないかな?空いてたら、こっちに泊まる?」と、しばし作戦会議。
とりあえず受付に飛び込んで聞いてみると、Un-poweredは空いている、とのこと!

値段は、Mt Trioのキャンプ場より若干高かったけれど、許容範囲内。。。

map-3

ということで、急きょ、Mt Trioから撤退し、次の2日間はこちらのMount Barker Caravan Parkに泊まることにしました。

その日は、いったんアルバニーまで出て、昼食を取り、予定していた場所を訪れた後、Mt Trio キャンプサイトまで戻り、テントをたたんで今度はMount Barker Caravan Parkへ行って、テントを建てて・・・という忙しさでした。


確かに、Mt Trioキャンプサイトは、本当に手つかずの大自然の中にあり、ワイルドな体験ができるという意味では素晴らしいと思います。
キャンプサイト自体は、キッチンもトイレも温水シャワーもあり(ちょっと不具合はあったけど)、悪くはなかったと思います。
もしかすると、寒い季節の方が、もう少し満喫できたかも・・・なんて思いました。
(寒さ対策は課題ですが)
また、周辺では、さまざまなレベルのハイキングやトレッキングも楽しめるようですし、そういうアクティビティを楽しむにはきっと最適なロケーションなのだろうと思います。

ただ、夏のキャンプには、ちょっとキビシイ環境だった・・・ということかもしれません。


Mount Barker Caravan Parkは、テントを立てるエリアは芝が植えられ、手入れされている感じでした。トイレやシャワー、キッチンも近くにあって、きれいに清掃されてあり、使いやすかったです。
また、結果的にアルバニーへのアクセスもよくなりました。

そして肝心なハエは・・・いない!!

もちろん、まったくいないわけではないし、ガや小さなコガネムシや蚊はたくさん飛んでいましたが、「まあしかたない」と思える範囲内で、先のキャンプ場ほどのストレスは感じませんでした。
(あと、体長1m以上あるトカゲ?がいました~驚)

夫も、「本当にホッとした」と言っていました・・・。

Mount Barkerでのキャンプの様子については、また後ほど触れたいと思います。


アルバニーで訪れた観光スポット

というわけで、急きょ宿泊地を変更し、2日間かけてアルバニーめぐりをしました。

その間に訪れたところをピックアップすると・・・

map-albany


◆Historic Whaling Station

Discovery Bayというところにある、捕鯨基地として使われていた施設(Whaling Station)を改造した展示施設です。
息子が、クジラにたいへん興味があるので、行ってみることにしました。

アルバニーは、捕鯨と重要な関わりがある町なんですね。
19世紀初頭にイギリスからの移住(入植)が行われてから、アルバニーでは、近年まで南極海でのクジラ漁が重要な産業となっていたようです。
クジラは、主に油を取るために利用されていたようです。その油は、主に燃料などに利用されていたようですね。
当時は、オーストラリアには、クジラを陸揚げして油に加工するための施設(Whaling Station)が数多くあったそうです。

その後、1960年代には、ザトウクジラの頭数が減少していることから、ザトウクジラの捕獲が禁止されるようになり、それ以来オーストラリア国内の多くのWhaling Stationが閉鎖になったそうです。

そしてこのWhaling Stationは、オーストラリアで一番最後まで営業していた施設であり、1978年のシーズンを最後にその幕を閉じた、、、とのこと。

主な見どころとしては、まず入場すると、CHEYNES IVという船が海辺に見えます。
これは、最後に使用された捕鯨船だそうで、実際に中を自由に見て回ることができます。

day2-3

船の甲板に出ると、美しい海が一望できます。
近くには、白い砂のビーチ。実際に泳ぎに来ている人達も多くいました。

day2-4    

 

中には、乗務員用の船室、キッチンやトイレなど、操縦室や機械室なども見られるようになっています。

day2-5

子ども達は、探検気分で結構楽しんでいましたよ~。

ただ、船内の階段は傾斜がとっても急だったため、息子は降りるのが怖かったようです。
怖がりなのに好奇心満点でじっとしていられない・・・そんな息子に付き添い、私はあまりゆっくり見られませんでしたが(笑)。

 

day2-6

クジラを捕獲するための銛(?)と、発射台。
銛は、大人の頭くらいはあろうかという大きさなんです。
すごい迫力・・・うう、痛そう~(汗)

 

また、クジラの油を保存する大きなタンクは、改造されて中で映像が見られるようになっていました。
これも、暗くて息子が怖がってしまったので、じっくり見ていませんが・・・。

圧倒されたのは、クジラの骨格の標本ですね。

day2-7

pigmy Blue Whale(シロナガスクジラの小型の種?)の実物の骨格。
子ども達の姿と比べると、どのくらい巨大か、よくわかりますよね~!!

世の中にこんな大きな生き物がいるなんて、素直に驚いてしまいます。

他にも見るところがいくつかあり、外には子どもの遊び場もありました。
私達は時間が限られていたため、あまりじっくりとは見られませんでしたが、小さな息子でも楽しめたようで、よかったと思います。

チケットは、ファミリー(大人2名+6~15歳の子ども3名)で$64。

ちなみに私達は、今回はクジラのWhaling Stationのみを見ましたが、Discovery Bayには、他に西オーストラリアのネイティブフラワーが見られるボタニックガーデンや、ポッサムやウォンバットなどの西オーストラリアの動物が見られるワイルドライフのコーナーもあるそうです。そちらも別途チケットが必要です。


◆The Gap & Natural Bridge

前回のアルバニー旅行では、改修中のため立入禁止となっており、見られなかったThe Gap
南極海に面した断崖絶壁は、足元から真下を見下ろすとものすごい迫力があるそうです。

今回は・・・まだ改修中(涙)。

day2-8  

前もってアルバニーのインフォメーションセンターで確認したところ、現在はまだ立入禁止で、今のところ2016年3月頃に再オープンする予定、とのことでした。うーん、おしい!!

でも今回は、すぐ隣にあるNatural Bridgeは行くことができました。

day2-9

本当に、岩で作られた大きな橋のよう。
橋の下には、南極海の波が荒々しく打ち寄せて、観覧用の展望台まで届くほどでした。

左側に、小さく小さく、人が写っているのが見えるでしょうか???

※しかし・・・たいへん危ないので、ホントは行ってはいけません!でも鉄条網のついた高い柵もないので、みんな勝手に行ってしまうんです。。。岩は滑りやすく、波も荒いし、海からの風もとても強いです。ちょっとバランスを崩したら、奈落の底・・・。

本当に巨大な橋。。。海の波の浸食によって、長い長い期間をかけて、このような形になったそうです。
そして今後も、この形を変えていくのでしょう・・・
水の力、自然の力、そして人間の感覚なんて超越した途方もない時間の存在に、思いをはせてしまいます。

day2-10

もともとこのオーストラリアの南の沿岸は、太古の昔は南極大陸とつながってたそうで、地質を調べると南極大陸との共通点を数多く見つけられるそうです。

本当に人間って、ちっぽけな存在なんだなー、と思ってしまいます。


◆Blowholes

Whaling Stationに向かう途中で、「Blowholes」という看板を見つけた私達。

「なんだろう?」「行ってみる?」

ということで、何があるのかもよくわからず、行ってみました。

息子がいうには、Blowholeとは、クジラの頭についている潮を吹く穴のことだ、と。。。

駐車場に車を止め、海岸沿いにしばらく歩きます。

day2-11  

道沿いの低木は、なぜか黒く焼け焦げており、まだちょっと焦げた匂いがするような・・・。
理由はわかりませんが(自然のブッシュファイヤーではないと思うけど)、美しい海と荒廃した木々の風景の組み合わせが、また何とも言えない風情です。

そして海の方まで歩いていくと・・・ありました。Blowhole

day2-12

岩の間に看板がありますが、あそこが穴になっているようです。
のぞきこむことはできませんでした。なぜなら・・・すごく急な斜面で、あんまり近づくと危ないと思ったからです。(実際にここで何人か命を落とした人がいるそうです。 汗)

そして、波が打ち寄せたタイミングで、

ボフッ

と、ものすごい大きな音が鳴り、しぶきが穴からぶわーっと飛び出してくるのが見えました。
これがBlowhole!

day2-13

これまた、すごい迫力でした!!
息子はあまりに驚いて、怖くて逃げだしました(笑)。

自然のマジックですねー。


◆フィッシング

今回、娘がどうしても釣りがしたい!と言って、エサも竿も全て自分で用意してきたので、午後、少しだけ時間を取って釣りをすることにしました。

アルバニーの駅のすぐそばにあるインフォメーションセンターで、「この辺で釣りができるところは?」と聞いてみたところ、すぐそばのJetty(桟橋)を教えてくれました。

そこでちょっと釣りをしてみることにしました。

day2-17

すでに釣りをしている人もいて、ちょっとエサを投げると魚が泳いでくるのも見えました。
・・・これは、釣れるかも・・・!!???

しかし、問題は、、、どんどん寒くなってきました。
最初は自分も釣る気マンマンだった息子も、飽きてきてしまい、ちょろちょろと歩き回る息子が海に落っこちはしないか、と私は心配になり・・・。
皆で「寒い寒い」と震えながら、ほどほどの時間で終了。

でも、娘は食べられる魚を1匹釣ることができました(たぶんmulletという魚)。
キャンプサイトに持って帰って、焼いて食べました!

day2-14

皆でつつきながら少しずつ食べたけれど、身が柔らかく、何より新鮮でおいしかったです♪
いい思い出になりました。


やっぱり予想外の問題が。。。

さて、急きょ飛び込んだMount Barkerのキャンプサイトでしたが・・・。

施設自体は、 十分に過ごしやすく、くつろげる場所でした。
大通りのAlbany Hwyからすぐ近くだけども、騒音も気になるほどではなかったです。

まあ、この辺りはもともと自然が豊かな場所なので、キャンプ場も木々が豊富で静かなところでした。

day2-15

こちらが、テントのエリアです。
地面は芝が茂っているので、テントの中で寝ても体が痛くない!

day2-16

その向かいは、キャンピングカー用の区画で、すごくにぎわっていました。


ただ、アルバニー滞在中、特に予想外だったのが。。。すごく寒かったこと!!
夜中に雨が降った日もありましたが、雨音が聞こえたらちょっと心配になってしまい、夜もよく眠れませんでした。
やっぱりテントなので、ザーザー降りの雨が降ったら、大丈夫かなぁ。。。と。
結果的に、テントの中までは濡れずに済みましたが、ちょっと雨水が染みてきました。
そして、夜はたぶん10℃前後まで気温が下がったと思います。寒くて寒くて、外でご飯を食べる時は、冬用の上着を着ることになりました。

本当に、上着持って来て、よかった!!

寝袋も冬用のを持って来てちょうどよかったです。

でも、本当に今、夏なの??

やっぱり南の端アルバニーは、夏でもこんなに寒いのかなぁ・・・。

 

さて、アルバニーの観光を終えて、次のキャンプサイトへ移動します。
定番スポットからがっかりスポットまで、転々と立ち寄りながらの道中は、次回にて。


Chieko on sabtwitterChieko on sabinstagramChieko on sabfacebook
Chieko
2013年より、西オーストラリア・パース在住。2017年永住権取得。
息子(小学生)、娘(ハイスクール)、夫と4人暮らし。

オーストラリアをテーマにしたライター。得意分野は、食、生活、子育てに関すること、子連れでの観光・旅行(キャンプ)。
趣味は料理・ガーデニング・DIY。

オーストラリア生活で私が学んできた英語のことと、大人の英語勉強法についてつづるブログ「話す英語。暮らす英語」も更新中。
PAGE TOP