怖がらせないで子どもを寝かしつけるには?オーストラリアの場合。

最近、ネットでこんなコラムを読みました。

寝ないとオバケが出るぞ…怖がらせるしつけっていいの?(朝日新聞の子育て系特集Journal Mより)

この記事を書いた男性記者は、3歳の娘さんを子育て中で、寝かしつけに悪戦苦闘しているようです。

子どもを寝かせるために、ついつい「遅くまで起きているとオバケがくるよ~!」と言ってしまいたくなるその気持ち、よーーーくわかります!

私自身も、2人の子どもを育てて来て、寝かしつけには本当に本当に苦労してきました。
子どものこの、無尽蔵のエネルギーといったら・・・背中に電池でも入っていて、抜いてしまえばコテッと寝てくれたらいいのに。。。
と、毎晩毎晩、心底思いました。

 

オーストラリアに暮らして3年。
その立場でこの記事を読み、改めて「面白いなー!」と思ったんですね。

というのも、おそらくこちらには、このような「子どもを怖がらせて寝かせる」という発想がないのでは?と思ったから。

記事にもありますが、言うことを聞かない子どもにコワァーイ鬼から電話がかかってくる・・・という『鬼の携帯アプリ』が何年か前にリリースされ、話題になったことがありました。
私は使ったことがないので、どんなものかわかりませんが・・・

こんなふうに日本では、子どもに対し、「言うことを聞かないと怖い目に合うよ」とおどかして言うことをきかせることが、めずらしくないんじゃないか、と思います。
多くの大人が、小さな子どもに、自然とそういった意味合いのことを言っているんじゃないか、と思います。

けれど、文化が異なれば子育ても変わる・・・私自身が見聞きする中で感じた範囲ですが、こちらでは子育ての中で「怖がらせて何かをさせる」という場面があまりないように思います。

それは、子どもを寝かせる時も同じ。

では、オーストラリアでは、小さい子の寝かしつけ、どうやっているんしょうか?
子ども達はすんなりベッドに行くんでしょうか?


オーストラリアの子は早寝?そのわけは?

息子のお友達(4~6歳)の親御さんから聞いた話の中では、オーストラリアの子ども達は寝るのがわりと早く、夜7時~8時くらいには寝てしまうことが多いみたいです。疲れた時は6時半くらいに寝ちゃう、なんて聞いたこともあります。

結構早いですよねー。

まあ、全体的にオーストラリアでは、朝早起きだし、夜街が暗くなるのも早い。

オーストラリアの公共放送ABCの子ども向けチャンネル(ABC Kids)では、ナビゲータ役のジミー・ギグル(Jimmy Giggle)は、いつもは普段着ですが、5時半を過ぎるとパジャマ姿で登場します。

テレビ

※注)パジャマです。

夕方には、「さあ、ベッドタイムが近づいてきたよ~」という雰囲気満々なんです。

そして7時になると、キッズプログラムは終了。
ジミー・ギグルはあくびをしながらベッドに入っていきます。
彼の相棒である、フクロウのぬいぐるみフート(hoot)は、暗い夜の世界へ飛んでいきます。
プログラムの一番最後には、「Good Night…」のテロップが。


民放でも、たとえばチャンネル7では、7時を過ぎると着ぐるみのサル?イヌ?が登場し、子ども達と楽しく遊んでいるのをやめて、おうちに帰り、 ベッドに入っていく。。。という映像が流れます。
そして最後に「Good night, Boys and Girls…」のテロップが流れます。


つまり、テレビを見ていると、このくらいの時間には「子どもはもう寝る時間だよ~」というメッセージが流れるんですね。

もちろんその後は、バッチリ大人向けの番組になり、中には子どもの視聴に適さない(親のコントロールが必要とされる)「軽い暴力」「乱暴な言葉づかい」「セクシーな場面」などを含んだ番組も放送されます。

以降は完全に、『大人の時間』と、はっきり認められているのです。

 

子どもが寝るためのマストアイテム

欧米では、子ども達は小さい時から自分の部屋で寝る、って言いますよね。

小さい子にとっては、一人ぼっちの部屋で寝るって、やっぱりちょっと寂しくないのかな~?なんて思っちゃいますが。
日本の場合は、住宅事情もあるかもしれませんが、幼児の子を一人の部屋で寝かせるって、親の方もあまりピンとこない部分あるんじゃないでしょうか?夜泣いて起きるかもしれないし・・・なんて不安もあるし。

たとえばこちらの子ども番組など見ていると、ママやパパが「もう寝る時間だよ。」と言って、子どもを子ども部屋に連れていき、子ども達はお気に入りのぬいぐるみを持って布団に入ります。

そして、親が

Good Night.
Sweet Dreams.

と言って、ハグをして、チュッと子どもにキスをして、部屋の電気を消して出ていく・・・

というシーンがたびたび流れます。

こちらの子ども達は、小さい時からそうするのが「当たり前」に育てられているんでしょうね。

 

その代り、子ども達が寝る時に、欠かせないマストアイテムがあります。

それは、ぬいぐるみ。

ぬいぐるみは、cuddly toyと言います。cuddleは抱っこする、寄り添って寝る、などの意味があるんですね。

こちらでは、ぬいぐるみといえば、子ども達が寝る時に抱っこする必需品、ととらえられているように思います。

おもちゃ売り場に行けば、ふわふわのぬいぐるみがたくさん売っています。
子ども達はそれぞれお気に入りのぬいぐるみを連れて、ベッドに入るんですね。

子どもと一緒に眠る、このぬいぐるみ。子ども達にとっては想像以上に大きな存在のようです。
こちらでは必ずと言っていいほど、ぬいぐるみに名前をつける決まり(?)になっているみたいだし、先にも書いたように、子ども番組や子ども用の絵本でも、ベッドに入る時は必ずぬいぐるみと一緒、です。

子ども達は、決して一人で寝るのではなく、大好きで特別なお友達(ぬいぐるみ)と寝るのです。


日本でも、ぬいぐるみを抱っこして寝る子も多いのかもしれませんが、我が家はそうではなかったんですね。
特に息子は、日本にいた頃はぬいぐるみなんて興味も示しませんでした。

でも今では、息子のベッドには、ぬいぐるみがたくさん(笑)。

ぬいぐるみ1

(これは一部です 笑)

学校でも以前、パジャマを着て登校する日(!)があったのですが、その時に、お気に入りのぬいぐるみも持ってくることになっていました。
夜の眠りについて話をしたそうです。どんな話だったのかはわかりませんが・・・

息子も、こちらのお友達やテレビ、本などの影響で、「寝る時にはぬいぐるみを抱っこするもんだ」と思うようになったのかもしれません。

 

「ベッドの中は素敵な世界」と教える

こちらでは、子ども達は、小さい頃から子ども部屋があります。
そこでは、お気に入りのおもちゃがあり、ぬいぐるみがあり、自分だけのお気に入りの空間。

子ども達は、ベッドの中では子どもだけの楽しい夢の世界を過ごせるんだよ・・・

というイメージを作り出し、子どもが少しでもハッピーな気持ちでベッドに行けるよう、工夫をするという考え方のように思います。

しかも親だけでなく、テレビも本も、周りの大人も、社会というか文化・生活習慣全体が、そういうイメージを子どもに与えているように思いました。

そこが、怖がらせて子どもを布団に入らせる、という日本の発想と、まったく異なるように感じたんです。

まあ実際のところ、オージー家庭の寝かしつけがどんなふうかはわからないし、なかなか寝ない子もいるかもしれないけれど。

それでも理屈ではない、文化的習慣というのは、やっぱり大きいと思います。

これはたとえば、日本の子ども達が自然と家の中で靴を脱ぐように、こちらの子ども達は自然と夜になったら一人でベッドに入る、ということなのだろうと思います。
どちらがよい、という問題ではないのかもしれないし、日本は日本の、西洋は西洋の、歴史の中で育まれた複雑なバックボーンがあるのだろう・・・と思ったりはします。


ちなみに、「オバケが来るよ!」っておどかして寝かせるのは、いいのか悪いのか・・・?
はわかりませんが、私自身はあまり、子ども達にそう言った経験がありません。

というのも、寝る前におどかしてしまうと、子どもは怖い夢を見てしまい、結局夜泣きをしてしまうんですよね。。。私の経験上ですが。
それで逆に、子どもも私も良く眠れずに、次の日寝不足になり・・・逆に面倒なことになる、というオチ。

けれど、うちの子ども達は二人とも、本当に寝るのがキライで(笑)、私が「もう寝る時間だから寝なさい!」って言っても寝ませんでした。
遊びをやめようとしないし、しぶしぶ布団に入っても、またすぐ「眠れなーい」と言って起きてきたり、ふざけてなかなか寝ないんですね。
ほっとけば寝るだろう、と思うと、夜中まで平気で起きている。
寝不足になると翌日に響くし、体調を崩すので、そのまま無視するわけにもいかず。
こっちもイライラしちゃうし、「寝なさい!」と怒っちゃうと、逆にギャン泣きされて手に負えなくなり・・・はぁ。


そんなわけで、しかたなく私が取っていた方法は、「自分が寝る」、です。
布団で子どもと本を読み、「あー疲れた。さあ寝ようね。」と言って、子どもと布団に入り電気を消して、寝ます。
すると子どもも、もう遊んでもらえないし、寝る時間なんだ、と納得するようでした。
たぶん、自分一人だけ寝る、というのが、イヤなんでしょうねぇ。

けれど、これもこれで大変です。。。
子どもと付き合って外遊びし、もちろん身の回りの世話、日々の雑事、買い物やご飯の支度、お風呂・・・とバタバタとこなし、寝る前の身支度を終えると、もうクタクタ。
寝たふり・・・のつもりが、いつの間にか子どもの横で自分がグッスリ眠っていて、ハッと気が付くともう真夜中、、、このまま寝たいけど、まだやらなくちゃならないことが何一つできてない・・・と、疲れとプレッシャーで毎晩涙目になっていました(笑)。

中には兄弟が歳が近く、幼稚園くらいから子ども達だけで一緒に寝ている、というおうちの話も聞きますが、これができると本当にいいなぁと思います。
我が家は、年が離れているし、性別も違うので、その手はあまり使えませんでした。

子育ての苦労話になっちゃいましたが(笑)。


まあそんな我が家ですが、幼かった息子も、最近になってようやく、だいぶ一人で寝られるようになりました(笑)。
息子は日本では、ずっと私と一緒に寝ていたので、パースに来てからも、一人ではなかなか寝たがりませんでした。
自分のベッドで寝つつも、寝る時は私が隣で一緒に布団に入ってあげないと、寝られませんでしたね。

それがようやく、6歳の誕生日を過ぎた頃から、一人で寝られる日が多くなってきました。
年齢的な成長は大きいと思いますが。

今では、ベッドに自分でカーテンをつけたり、灯りをつけたり、絵を張ったりして、息子はお気に入りの空間を自分で作っています。
そして先にも書いた、たくさんのぬいぐるみ達に囲まれて眠ります。

子どもベッドルーム

私も、息子が寝る時間になったら、本を読んであげて、部屋の電気を消して、盛大なハグとチューをして、おやすみ~と言ってあげるようになりました。
逆に息子がちゃんとベッドに入ってくれるから、そうやってあげる余裕ができてきた、とも言えますが。。。

個人的には、怖がらせて子どもを寝かせるよりも、お互いに温かい気持ちで「おやすみ」が言えた方が、子どもにとっても親自身にとっても、精神的負担が少なく、よりよいんじゃないかな、と思います。

まあ、どのみち子どもは成長すればいつか、自分で寝るようになるんですけどね。。。(と14歳の娘を見て思う)


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Chieko
2013年より、西オーストラリア・パース在住。
7歳の息子、15歳の娘、夫と4人暮らし。

オーストラリアをテーマにしたライター。得意分野は、食、生活、子育てに関すること、子連れでの観光・旅行(キャンプ)。
趣味は料理・ガーデニング・DIY・音楽。

オーストラリア生活で私が学んできた英語のことと、大人の英語勉強法についてつづるブログ「話す英語。暮らす英語」も更新中。
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