ソイソースって醤油じゃないの!?海外で醤油を買うための基礎知識。

9月に入り、パースにも春らしい空気が漂い始めてきました。

我が家は、そろそろ冬の庭から春の庭へ・・・新しく苗を植えたり、種を蒔いたり、週末を中心にガーデニングにいそしんでいます。まだ日差しも柔らかく、雨さえ降らなければ、屋外での作業には最適な季節!いずれブログでも報告したいと思いますが。

 

今回は、海外生活でも、私たち日本人にとって切っても切れない調味料、醤油についてちょっと書きたいと思います。

 

日本に住んでいた時は、当たり前のように身近にあった調味料、醤油

でも海外に住んでみると、醤油という調味料は、やっぱりユニークなものだなーと感じます。
やはり醤油の味わい、香りは、『日本料理らしさ』を特徴づける、非常に大きな要素なんだなーと思います。
醤油の風味が加わるだけで、なんとなく和食っぽい、ホッとする味になりますよね?
私自身、パースに暮らしながらも、醤油は毎日のように使用します。
簡単な野菜炒め、スープの味付け、ドレッシング、唐揚げ、和え物、煮込み、めんつゆ、、、
もちろん、寿司を食べる時にも、欠かせない!

パースに来て、醤油を買えることが分かった時は、本当にホッとしたものです(笑)。

ところで、海外、特にオーストラリアで醤油を買うとしたら、どんなものを選んだらよいのでしょうか?

過去ブログでも、醤油については触れてきましたが、今回は少し詳しく書こうと思います。

 

『SOY SAUCE』と日本の『醤油』はちがう?

SOY SAUCE(ソイソース)=大豆で作られたソース=醤油・・・?

海外に来るまで、「SOY SAUCEといえば、日本の『醤油』のことだ!」と、私は思っていました。
でもパースに来てみると、それは違うんだということがわかりました・・・。

 

日本の醤油も確かに、Soy Sauceという英語名で売られています。

でも、同様に『SOY SAUCE』と表示されていても、中国のSOY SAUCEもあるし、韓国、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア・・・等、アジアの様々な国のSOY SAUCEがある、ということを知りました。

では、どれも皆同じ物なのか?日本の醤油の代用として使えるのか?

というと・・・そうではないようです。

 

特に指定がない限り、欧米でSOY SAUCEといえば、一般的には、日本の醤油か、中国のショウユのことを指すことが多いようです。

日本の醤油と中国のしょうゆ。

どちらも、基本的には、大豆、小麦(中国の醤油の場合は小麦粉が使われるらしい)、塩、水が原料です。
大豆と小麦を合わせたものに麹菌を繁殖させ、その後食塩水に漬けて発酵・熟成させます。最終的にはそれを絞り、殺菌や品質安定のために加熱して仕上げます。
麹菌の酵素や、乳酸菌や酵母といった、生き物たちの複雑な働きによって醸造されたものが、『醤油』です。

中国の醤油2

中国の醤油、私は買ったことはないんですが・・・主に2種類あるそうです。
Light Soy sauce(生抽)は、色が薄く、塩味が強く、サラッとした液体。Dark Soy sauce(老抽)は、色が濃くドロッとしていて、甘いそうです。料理の用途によって、使い分けるようですね。
Light Soy sauceの方が、やや日本の醤油に近い感覚で使えそうな、塩気のある味ということです。
Dark Soy sauceは、煮込み料理や炒め物などに、濃い色付けや照り、甘みを出すため、使われるようです。

とろみや甘み、色を出すためには、砂糖やカラメル色素、他の添加物が加えられていることもあるそうです。また、うまみを出すために、MSGという化学調味料(次の項に詳しく記載しています)が加えられていることもあるようです。

日本の醤油よりも、味が濃いため、たとえば出来上がった料理に醤油をかけて食べる・・・というような使い方よりは、炒め物・煮物などの味付けに適量加える、という感じで使われるようです。
きっと、おいしい中華料理を作るには適しているのだろうと思いますが、日本人の感覚で使うには、ちょっと注意が必要みたい。

インドネシア、タイ等の他のアジア諸国のSOY SAUCEも、それぞれの国の料理に合ったテイストになるよう、甘みなどが加えられているようです。

インドネシアのソイソース

↑これはインドネシア産のソイソース。SWEET SOY SAUCEだから、やっぱり甘いのかな?


買う時は、原材料や使い方をよくチェックして選びましょう~

また、海外のレシピで「Soy Sauce」と見かけたら、どの国の料理なのか?どの国のソイソースを使えばよいのか?をチェックしたほうがいいですね。その上で、もし日本の醤油で置き換えるとしたら、甘み(砂糖など)や塩加減をさらに追加することにより、全体の仕上がりがより近いものになる・・・かも??


ケミカル醤油?

先ほど、「生き物たちの複雑な働きによって醸造されたものが『醤油』」と書きましたが、一方で、そうではないSOY SAUCEもあります。
自然の働きであの醤油の味を作り出すのではなく、人工的・化学的な工程を経て、醤油のような色と味を出した調味料です。

たとえば、本当の『醤油』といえば、大豆と小麦と塩を原料とし、半年~1年以上(あるいはそれ以上)の年月をかけて、麹菌・乳酸菌・酵母といった微生物の力で発酵させて作ります。
この発酵により、醤油の独特の風味・うまみが醸し出されます。

一方、『人工的に作られた醤油』では、植物性たんぱく質(大豆、とうもろこし、小麦などに多く含まれる)を、『塩酸』と混ぜて酸分解し、そこで生成された液体を炭酸ナトリウムで中和したものが主成分になります。この液体は「アミノ酸液」と呼ばれており、人間がうまみを感じる成分である、グルタミン酸やアスパラギン酸といったアミノ酸が凝縮されています。
この製法では、2,3日で醤油が作れるそうです。
ただ、アミノ酸液は、うまみ成分が詰まっているとはいえ、これだけではおいしくない・・・らしい。風味を改良するために、醸造された醤油を足したり、砂糖などの甘味料、カラメルなどの色素、他のフレーバーが加えられて、出来上がるそうです。


たとえば私があるお店でみつけた、Soy Sauce とラベルのついたものは・・・

ケミカル醤油

原料に、植物タンパク質加水分解物(hydrolyzed vegetable protein)と書いてありますが、これが、アミノ酸液のことのようです。
この場合は、大豆ととうもろこしが植物性たんぱく質の原料として使われているということでしょう。

こういったものも、ソイソースとして、売られています。

先にも書きましたが、アミノ酸液は、うまみをアップするために天然醸造された醤油に混ぜられている場合もあります。

 

近年、アジア圏の食文化に興味を持つ人が欧米でも増えており、海外のフードブロガーさん達が「SOY SAUCE」について書いている記事も、ネット上にはたくさんあります。
彼らは、このような人工的に作られた醤油を『Chemical Soy Sauce』(ケミカル醤油:化学的な醤油)と表現しており、逆に自然の発酵の力を用いて醸造された醤油は『Naturally Brewed Soy Sauce』(天然醸造された醤油)等と言っています。

そしてたいてい付け加えられているのは、

Chemical Soy Sauceは選ばないように!
Naturally Brewed Soy sauceを選ぶべき!

ということです。

 

その理由として、やはり醤油の魅力は、その独特のうまみや風味が自然な発酵の作用によって生み出される、というところにあるからでしょう・・・。が、それ以外に、健康や食の安全性という面でも、好ましくない、と考えているようです。

たとえば、先に説明した人工的な方法で、アミノ酸液を生成する時に、クロロプロパノール(chloropropanols)という化学物質が大量に発生するそうです。この物質は、発がん性が指摘されているものです。
イギリス、オーストラリア、NZでは過去に、流通しているケミカル醤油の一部からこの化学物質が相当量検出されたため、商品回収になったことがあるそうです。

また、MSG(Monosodium glutamate=グルタミン酸ナトリウム)はうまみを出す合成添加物で、日本や中国を含むアジア諸国ではよく使われるものですが、健康に影響を受ける人もいる可能性が指摘されており、欧米では消費者から忌避される傾向があります。実際にオーストラリアでは『No MSG』の表示がある調味料や加工食品を非常によく見かけますが、ケミカル醤油の成分であるアミノ酸液には、その製造過程でグルタミン酸ナトリウムが多く含まれるそうです。

グルタミン酸そのものは、天然醸造の醤油にも含まれるそうです。

が、やはり人工的に生成されるものはその量が不自然に過剰になってしまう、、、というリスクはあるかもしれません。

こうした理由から、「ソイソースを選ぶなら、ケミカル醤油は避けて、天然醸造のものを!」というのが、海外の人達の判断なのだと思います。

 

海外で『日本の醤油』を買うとしたら?

こうした事情を踏まえ、海外で『日本の醤油』を買おうと思ったら、選択肢は今のところ二つかなぁ~と思っています。

・日本から輸入された醤油
・キッコーマン(海外製造)

日本からの輸入ものを使いたい、という場合は、日本食品店やアジア系食材店に行けば、見慣れたお醤油が売っています。
日本で買うよりは高いなーという感覚はあるし、限られたラインナップではありますが、特段選択に困ることはないかと思いますので・・・ここでは、海外製造の「日本の醤油」を選びたい、という方のために、ちょっと書きたいと思います。

近年、欧米でも日本食の認知度が高まっていくにつれ、醤油という調味料に興味を示す人も増えています。
特に、「SUSHIにつけて食べる」となれば、やっぱり日本の醤油でないと・・・ですよね。

海外の人々に、一番身近に知られている「日本の醤油」といえば、やっぱりKIKKOMANかなぁーと思います。

kikkoman soysauce

念のため、私はキッコーマンからお金もらってませんので(笑)、取り立ててこの商品を薦めるというわけではありません。

が、以前KIKKOMAN Australiaの担当者の方に、商品について質問させていただいたことがあります。その際、とても丁寧に色々と教えていただきましたので、それをふまえて以下を書いています。
オーストラリアでの醤油選びの参考にしていただければと思います。
※工場や流通国によって異なる場合があります。

日本の大手醤油会社キッコーマン(KIKKOMAN)は、日本国内だけでなく海外にも工場を持っていて、海外向けの醤油は、そちらで製造されています。

たとえば、オーストラリア国内に入ってきているKIKKOMAN Naturally Brewed Soy Sauceは、シンガポール工場で製造されているもの(Made in Singapore の表示のもの)。
他に、アメリカ、オランダ、中国等に工場があるようです。

原材料は、大豆、小麦、塩、水、のみという、シンプルなもの。
各材料の原産地については、過去ブログに書いています。→ パース生活に欠かせない基本の厳選調味料

オーストラリアは遺伝子組み換えに厳しい制限があるとのことで、オーストラリアで販売されている醤油に関しては、材料はすべて遺伝子組み換え不使用だそうです。
(工場によって違いがあるとのこと)
ケミカル醤油ではなく、菌や酵母による発酵作用を利用して醸造されている、ということです。

我が家は現在、この醤油を使っています。

味はベーシックで、食べ慣れた日本の醤油の味。
価格もわりと手頃ですし、大手スーパーでもほぼ必ず取り扱っているので、現地の人にとっても入手しやすいのがメリットだと思います。

和食の入り口として醤油を使ってみたい、、、と思う海外の人に対し、KIKKOMANは最も受け入れられているJAPANESE SOY SAUCE といえると思います。

 

KIKKOMAN SOY SAUCEは、最もスタンダードな商品『Naturally Brewed Soy Sauce』の他に、

・Naturally Brewed Less Salt(減塩しょうゆ)
・Naturally Brewed Gluten Free (グルテンフリーしょうゆ)
・Organic Soy Sauce(有機しょうゆ)

といったラインナップがあります。私は使ったことないのですが。

特にグルテンフリーのしょうゆは、小麦を使わず、米を使って仕込んだ醤油ということです。近年オーストラリアでは、健康志向の高まりから、グルテンフリーの食事を好む人が増えているようですし、また小麦アレルギーの人やセリアック病の人などでも安心して使える醤油ということで、オーストラリアでは人気が出てきているそうです。

日本では、グルテンフリーはまだまだマイナーですし、あまり需要はないかもしれませんが、海外での醤油製造・販売は、こうした消費者の要望にも応えていくことが必要なんだろうな、と思いました。

ちなみに、減塩しょうゆについては、シンガポール工場で製造されているようですが、有機しょうゆについては、日本製造のようです。(グルテンフリーは未確認)

製造地が気になる方は、購入前にラベルを確認してください。

 

海外生活でも、醤油は、多くの日本人にとって大切な調味料。

であると共に、『SOY SAUCE=日本で使っていたあの醤油』ではない!のですね~。

そして、大豆と小麦を発酵させて作ったソース、という点では共通してるけど、それぞれの国で、色んな種類のソイソースがあったり、独自の使い方があるそうです。
うーん、奥が深いなぁ~。

・・・で、ここまで書いてきて、気になるのが『日本の醤油』。
当たり前であればあるほど、実はあんまり醤油のこと、知らなかったなー。

と、私は思いました。

海外の食事情、醤油事情を知った上で、改めて日本の醤油について見てみるのも、面白そう。いずれ別の記事で取り上げたいと思います。


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Chieko
2013年より、西オーストラリア・パース在住。
7歳の息子、15歳の娘、夫と4人暮らし。

オーストラリアをテーマにしたライター。得意分野は、食、生活、子育てに関すること、子連れでの観光・旅行(キャンプ)。
趣味は料理・ガーデニング・DIY・音楽。

オーストラリア生活で私が学んできた英語のことと、大人の英語勉強法についてつづるブログ「話す英語。暮らす英語」も更新中。
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