オーストラリアで『米麹』作ってみる?糀づくりワークショップ体験記。

先週末、すっごく面白いワークショップに参加してきました。

『家庭で醸(かも)す!庶民派 糀(こうじ)づくりワークショップ』

タイトルからして、面白いですよね~(笑)
今回は、そのレポートを書こうと思います。

味噌作りにはもちろん、数年前から「塩麹」も人気ですが、麹っていったい、どうやって作るの?

・・・自分で作れるの???


味噌から始まった米麹さがしと出会い

ところで、私がパースで生活をはじめ、料理をするようになり、私なりに常備するようになった基本の調味料を、ブログを書き始めた最初の方に紹介しました。

パース生活に欠かせない基本の厳選調味料

この時から多少の変化はあるものの、だいたい今も同じものを使い続けています。

でも・・・日本人だったら絶対に使いたい、大切な調味料が、ここにないのです。それは???

・・・味噌。

味噌は日本食には欠かせない、定番であり万能であり、必要不可欠な調味料。
私自身も、日本にいた頃は冷蔵庫に欠かしたことはありませんでした。

でもこちらに来て、味噌を当たり前のように使うことが難しくなりました。
価格が高いと感じてしまったり、生産地や原材料で選びたい私にとっては、パースで手に入るものは選択肢が少ないと感じました。

海外在住の方なら、同じように思う人も多いのでは?
そのため、海外生活をするようになって、自分で味噌を仕込むようになった、という人もいるんじゃないかと思います。

私自身は日本にいた頃、10年ほど前から、先輩ママさんに教わって、何度か味噌を仕込んだことがありました。といってもその時は、味噌屋さんが販売していた、簡単なキットを使ったのですが。
ゆでて潰してある大豆と、塩と米麹があらかじめ混ぜてあるもののセットを購入し、それを混ぜ合わせて熟成させるだけ。私が最初に始めた味噌作りは、そういう超お手軽なものでした。

それでも、市販のものよりも原材料は明確だし、何と言っても、おいしい!
家庭で熟成させたものは、不思議だけど、やっぱりおいしいんです。

よし、パースでも作ろう!
オーストラリア産の大豆もあるし!西オーストラリアのよいもあるし!

あとは米麹だ!

「日本産の食材を使わずに日本の家庭料理を作る」を(勝手に)テーマにしている私は、オーストラリアで作られた米麹ってないのかなぁ、と思っていました。


そんなことを考えていた時、人づてに、パースで米麹を作っている人がいる、と聞きました。
その人は、自分で米麹を作り、それを使った味噌作りのワークショップをされているとのこと。

いた!!すごい人が!パースに!!

その人の名は、ヒロシさん。


ヒロシさんは、発酵食品づくりに情熱を燃やしていて(その発端についてはいつかインタビューしてみたい)、ご自身でさまざまな発酵食品を作っています。

彼が主催するFaceBookグループ『THE BREW LIFE』では、ヒロシさん本人と世界中に住むメンバーから、発酵食品に関するさまざまな投稿が寄せられます。

納豆、みそ、ぬか漬け、醤油、キムチ、ザワークラウト、ヨーグルト・・・みーんな、発酵食品。これらの食品は、元来は自然環境にある菌の働きによって作られたものです。

特に最近では、こうした発酵食品に含まれるバクテリア(乳酸菌など)が、腸内環境を整えたり健康維持に有効であることが知られ、健康志向の人を中心に人気が高まっています。

一方、日本人にとっては、こうした食品は日常生活の中に常に存在してきた、とっても身近で、食べ慣れたもの。健康云々でなくとも、ただ好きだから食べたい、という人もたくさんいるのでは。

私はヒロシさんに連絡を取り、今年5月に、ヒロシさんの作った『米麹 made in Perth』を手に入れることができました。それで味噌を仕込みました。それはまだ、我が家の戸棚に眠っていますが。
また、残った少しの米麹で、塩麹を作りました。
麹があると、色んなものが作れるなぁ~。いいな~。

それにしても、パースでも米麹が作れるんだー。
米麹があったら、西オーストラリアでの食生活は、もっともっと広がりそう♪
自分でも作れたら、便利だなぁ・・・私でもできるもんなのかなぁ~?


そんなことを考えてネットを調べているうちに、、、これは偶然かなんなのか(笑)。

ヒロシさんが『米麹をつくるワークショップ』を開催する、とのお知らせ。

もちろん、食いつかないわけにはいかない~(笑)。


『庶民派!糀づくりワークショップ』 1日目

ヒロシさんが、「糀づくりは家庭の小さな台所でもできる」ということを伝えたくて開催したという、ワークショップ。

糀づくりは、実際に3日ほどかかる作業です。

ワークショップは、週末の2日に渡って行われました。
参加者は、私を含めて4人。

1日目は、朝9時に開始。
一晩水に浸した米を、水を切って蒸す作業から始めます。

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蒸す前に、水を吸った米がどんな状態になっているか、ヒロシさんは私達に実物を見せ、触って確かめさせてくれました。
フムフム、なるほど~。

濡れた布巾で米を包んで、せいろで約1時間蒸します。

その間。お茶をいただきながら、おしゃべりタイム~。

作業手順の説明を聞きつつ、麹菌についての豆知識を教えてもらいました。

たとえば、、、(正確に理解できてる自信はなし 汗)


麹菌には、黒、緑、黄、白がある。
酒、みそ、しょうゆ造りなどに一般的に使われるのは、黄色~緑のもの。

麹菌は、自然界に存在するカビの一種で、ごはんやパン、ケーキなどに生えることが多い。
一方、麹菌の一種には、アフラトキシンと言う発がん物質を出す有毒なものもある。普通の(食品作りに使われる)麹菌との見分けはたいへん難しいとのこと。

麹菌が持つ主な酵素としては、「でんぷんを糖に変えるもの(アミラーゼ)」と、「たんぱく質をアミノ酸に変えるもの(プロテアーゼ)」の二つがある。

白麹はアミラーゼを多く含み、酒の醸造などによく使われる。緑・黄麹はプロテアーゼを多く含み、大豆を原料とする味噌作りなどに使われる。

味噌作りには、米麹の他、麦麹(麦味噌になる)、豆麹(豆味噌になる)が使われる。(私は、豆麹で味噌が作られることを知りませんでした!愛知の八丁味噌や赤みそなどは、豆麹で作られるんだそうです。)

 

なとなど・・・

 

お米を蒸して約1時間。

「蒸し上がりました。米粒を手でつぶすとこんな感じになる固さです」とヒロシさんが見せてくれ、私達も実際にやってみました。

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蒸し終わったお米は大きな容器に移し、冷ましながら混ぜ、熱と水分を飛ばして温度を人肌まで下げて行きます。


そこに、種麹をまぜていきます。種麹は、麹菌の種(胞子)のこと。
今回ヒロシさんは、日本の種麹やさんから取り寄せたものを使っていました。

見た目はただの白い粉。
使う量は、本当にちょっぴりでした。
粉を入れたら、手で混ぜるのは、私達参加者の作業!

種麹を混ぜた米を、湿らせた布巾に包み、さらにビニール袋にしっかりと包み、ヒロシさん特製の保温室に入れます。(ホームセンターで売っていた収納ラックに、電気毛布をかけたという、完全DIY)

これから約24時間、湿度と温度を保つ・・・。

この日の作業は、これで終了。翌日、「手入れ」という作業を行います。

 

作業の後、ヒロシさんが自作の甘酒とお味噌を食べさせてくれました。

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冷たく冷やした甘酒は、すっきりした味でとっても飲み易かった~。
すっぱくなった方は、私には未体験ゾーンでした(!)。

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上から、ヒヨコマメの味噌、通常の米味噌、小豆味噌。

ヒヨコ豆や小豆で味噌が作れるなんて、おどろき!
ヒヨコマメの味噌はまろやかで、優しい味。驚いたのは、小豆味噌。味噌のこくにあずきのほろ苦さが絶妙。
もちろん米味噌もしっかり熟成され、ナチュラルなうまみたっぷりでした。

 

『庶民派!糀づくりワークショップ』 2日目

2日目は、朝8時に集合。

前日の作業から約22時間ほど経った時点で、お米の具合を見せてもらいます。

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お米がうっすらと白っぽくなっています。

お米がくっついて固まっている部分はほぐしながら、手でよく混ぜて行きます(手入れ)。
ここは私達参加者の作業!

その後、再び布巾で包み、ビニール袋で包み、保温します。

作業終了~。

手入れの作業自体は、あっという間に終わりました。

 

その後、ヒロシさんが朝食を振る舞ってくれましたが・・・これがもう、感動ものでした☆

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お品書きより ---

本日のメニュー
・甘酒に漬けて焼いた黄斑姫鯛 ~生姜たっぷりの醤油麹と一緒に
・バターナッツかぼちゃのグリル
・春アスパラガスの自家製杏子干しと鰹節和え
・クコの実入りザワークラウト
・南屋さんのしょい豆
・二十日大根の水キムチ

デザート
・甘酒チアシードプディングにきな粉とブルーベリー

ーーー

まるで、高級旅館の朝食みたいな!!ヒロシさん、朝5時半から準備してくださったそうです。
パースでこんな素晴らしい和食が食べられるなんて・・・しかも発酵食品ざんまい(うれし涙目)。

お皿に乗っていた「はつか大根の水キムチ」をきっかけに、今年日本でブームになったという水キムチの作り方を教えてもらいました。今度やってみるぞ!

ヒロシさんの作るお料理にピッタリ合う、雰囲気のある素敵な食器達は、奥様の手作りだそうですよ。
世界観をパートナーと共有できるって、いいですよね~。

 

2日目の作業はここまでで帰宅しましたが、その後も麹の様子や、タイミングに応じた手入れのしかたなど、たくさん写真を撮って丁寧な解説と共にネットで送ってくれました。

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↑ヒロシさんが送ってくれた写真より。出来上がった時の糀の写真。

作業から3日目に糀ができあがり。

普通の米粒が、こんなふうに米麹に変身してる・・・魔法を見ているよう!

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まだホカホカの糀を受け取った時は、本当にうれしかったです。
これで、お味噌を仕込もうと思います♪

 

見えないけど、自分のかたわらにちゃんとあるもの。

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糀づくり・・・すごく手間がかかりそうだし、詳しい人にしかできなそうなイメージがあったけど、こうしてやってみると、本当に身近に感じて、早速自分でもやってみたくなりました!

このワークショップで気をつけるポイントをしっかり教えてもらったので、すごく参考になりました。
ただ、やはり糀作りは3日間かかる作業。準備も含め、その間のスケジュール管理は決して簡単ではありません。糀作りのワークショップを開くには、純粋かつ並々ならぬ情熱がないとできない、と思いました。ヒロシさんには本当に感謝です。

 

今回集まった参加者の人達からは、色んなパースの情報を教えてもらえて、すごくありがたかったです。
特に、オーストラリアのティーンネイジャー事情は、、、(汗)これからの子育ての参考にしたいと思いました(笑)。

また、自然と原発事故と放射能の話になったことが、印象深かったです。
やはり、麹づくりに興味を持つことは、食の安全や由来について関心を持つことと多少なりともつながると思うし、日本人として日本の食について考えた時、原発事故という出来事を避けては通れないのだな、、、と思いました。

 

糀づくりの話を通して、私が最も感銘を受けたのは、麹菌も乳酸菌も酢酸菌も納豆菌も・・・発酵食品を作るための菌は「すべて空気中に存在している」というお話でした。

確かに私も、塩レモンやザワークラウトなどを作ってきましたが、それらは環境中の乳酸菌が作用して出来上がるんだそうです。
こうした自然の作用を利用して、昔から人は経験的に色んな発酵食品を作ってきたのでしょう。
みそやしょうゆ、納豆など、日本人になじみの深い食品もそう・・・身の周りにある自然の働きをうまく食に取り入れてきたのですよね。そこに必要だったのは、経験や知恵の蓄積であり、それを人と人、そして世代間で伝え合うことだったのでしょう。

今は、そうした発酵食品も、菌でさえも、私達はお金がなければ手に入らない、と思っている。

けれど解き明かしていくと、買わなければ手に入らないのではなく、買わなければ手に入れらないようにさせられている、というべきかもしれません。現代の社会のシステムによって。

そんなふうに思いました。

私は発酵食品に詳しいわけではぜんぜんなく、思えば「味噌ほしさ」(笑)に米麹を作れたら・・・なぁーんて思ってしまっただけなんです!が、発酵のしくみをわずかながら学ぶことによって、現代社会の価値観とは違った普遍の世界が、自分自身のかたわらにちゃんとあることを感じられたような気がしました。

糀づくり。これから自分の生活の中に、ナチュラルな形で取り入れていきたいな~。

 

ヒロシさんの主催するFaceBookグループ【THE BREW LIFE】、もし興味を持った方は参加してみてくださいね。


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Chieko
2013年より、西オーストラリア・パース在住。
7歳の息子、15歳の娘、夫と4人暮らし。

オーストラリアをテーマにしたライター。得意分野は、食、生活、子育てに関すること、子連れでの観光・旅行(キャンプ)。
趣味は料理・ガーデニング・DIY・音楽。

オーストラリア生活で私が学んできた英語のことと、大人の英語勉強法についてつづるブログ「話す英語。暮らす英語」も更新中。
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