引っ越したらやらなければならない、日本と違うパースのルール。

ボチボチと引っ越しの片づけをやっている毎日です。

なんとか日常生活は送れる程度には片付いてきましたが、まだまだあちこちに荷物が積まれています。


引越といえば、やはり物理的な荷物運びがメインイベントです。
一番費用がかかる部分ですが、人件費の高いパースで、いかにそこの出費を抑えてチープに引っ越すか(笑)。

前回のブログではその部分について、我が家の試行錯誤を紹介しました。

 

けれど、引っ越しの際に必要な作業は、それだけではありません。

退去する家の片づけ、入居する家の準備・・・荷物を出した後、運ぶ前にも、やらなければならないことが色々とありました。

今回は、前回の記事の補足として、引越にまつわるそれらの作業について、ちょっと書いておきたいと思います。
日本とは、事情が違う部分もあるんじゃないかな、と思います。
私も最初の引っ越しの時は、ビックリしたものです。


家を退去する時にしなければならないこと

まず、契約が終了する日を不動産屋の担当者(プロパティマネジャー)に知らせ、契約終了日を確定します。
その日に物件のカギを返却することになります。

その日までに、荷物を運び出し、基本的に入居した時と同等の状態にして、物件を引き渡します。

カーペット敷きの部屋がある家の場合は、業者のカーペットクリーニングを頼まなければなりません。

私達は、土足で室内に入ることはないため、「カーペットクリーニングなんて必要ないんじゃないの!?」と最初は思ったけれど、パースの物件の貸し借りにおいて決められている、ある種のルールみたいです。
基本的に、借主(自分達)が手配し、契約終了日までにカーペットクリーニングを行い、その領収書をプロパティマネジャーに提出する必要があります。その時のカーペットクリーニング業者は、きちんと登録された業者でないといけません。

カーペットクリーニングを頼む時は、予め「不動産屋に提出するレシートとして有効か?」と確認しておいた方が万全ですね。

また、日本では、住人が退去した後で不動産屋がハウスクリーニングを入れることも多いかと思いますが、こちらでは基本的に、借主がクリーニングします。汚れたまま部屋を返すと、保証金から差し引かれる可能性も?
ハウスクリーニングを頼むケースも多いようです。我が家の場合は自分達で掃除しちゃいますが。

引越の荷物を運び出したら、契約終了日までに、これらのことをしなければなりません。

 

我が家の場合も、引越の荷物を運び終えた!と思ったら、すぐに旧居の掃除にとりかかりました。

今回はもともと古い家だったので、そんなにシビアに掃除しなくても大丈夫かな?と思いつつ・・・

キッチン周りの油汚れなども全て拭き取り、オーブンの中も拭き掃除。
バスルームやトイレもきれいに汚れを取り除きました。

各部屋も、天井の隅や窓際などの埃を取っておきます。
夫は、子ども達をうまく使って、「クモの巣さがし」ゲームをしながらクモの巣を取り除いていました(笑)。
(パースはホントにクモが多いですよね!)

庭も、念のため芝刈りをして(といってもずいぶん枯れちゃってたけど)、植え込みも片づけて、元通りに。
目立つ雑草は抜き、落ち葉を掃いて、整えておきました。

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そして最後に、カーペットクリーニング。

今回は4部屋だったのですが、1時間ほどで終わりました。

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その他、退去前にしなければならないことは、契約書をよく確かめておきます。
物件よって、設備も違うし、入居した時の家の状態によって、色々と条件が異なるかもしれません・・・。

 

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何もなくなって、がらーんとした部屋は、見ていると不思議な気持ちになります。

自分達の持ち物がなくなってみると、「本当にここで毎日暮らしていたのかな。」って、ちょっと信じられなくなります。。。
自分達がここで生活していた空間が、ふいに消えてしまったようで、少しだけさみしい気持ちになりました。
でも、それよりも無事に家を明け渡すことができるという安堵の方が大きかったですが。

退去のための書類に記入し、カーペットクリーニングの領収書と、契約時に受け取ったカギをすべて持参し、不動産屋に返却します。
今回の物件では、カギは3種類のみだったけれど、以前の家では20個(!)ほどカギがあったので(窓や網戸のカギなども含め)、その時はカギの確認が大変でした~(笑)。

 

新居の掃除

新居に関しては、荷物を運び入れる前に掃除をします。
オーストラリアの家は、何より大きい!

そして、家の中は砂だらけ、クモの巣があちこちにあるし、前の住人が残したわけのわからないものもあるので、掃除がたいへんです。

一応クリーニングはしてあるはずだと思うけれど、日本人の感覚とは違うようで・・・

今回の家は、確かに水回りはそこそこきれいにしてあったけれど、部屋そのものは清潔とは程遠いものだったので、最初の大掃除が必要でした。

今度の家は、珍しく、カーペットの部屋がない!

荷物を搬入する前に、子ども達と掃除をしました。
私は部屋中に掃除機をかけ、隅々まで埃やクモの巣を取り、子ども達に床を拭き掃除してもらいました。

たぶん前の住人も掃除はしていったと思います。床なんてこちらでは、基本土足で歩くものだから、そんなにきれいである必要はないという感覚なんだろうと思います。
でも日本人の感覚では、やっぱり気になってしまいます。裸足で歩くと、足の裏が真っ黒になってしまうのだから。

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拭き掃除が終わって、「つかれた~」と座り込む、子ども達。
おつかれさまでした。

クローゼットや食器棚、キッチンの収納なども、埃だらけだったので、梱包を解く前にキレイにしておく必要がありました。

 

入居したら7日以内に必ずやらなければならないこと!


ようやく新居にやってきて、「はぁー疲れたー、これでゆっくりできる~」と思いたいところだけど・・・。

入居したら、7日以内に借主がやらなければならないことが、あります。

契約時に、プロパティマネジャーに「いつ入居予定か」といった話をすると思いますが、それに合わせてプロパティマネジャーがある書類を渡してきます。
結構分厚い書類・・・。

家の状態についてのチェックリストです。

家のありとあらゆるポイントについて、項目が挙げられています。

たとえば、

<正面エクステリア>
・芝生 - ところどころ枯れているがおおむね状態がよい。
・玄関の右側の植え込み - 茶色のレンガで囲まれている。バラは枯れているが、他の植物の状態はよい。
・玄関前の階段 - グレーのレンガで2段。1段目が割れている。
・ガレージ - グリーンの電動式シャッター。電灯が1つ。2つ口の電源が1ヶ所。ステンレスの棚が一つ。床の中央にシミがある。

<ベッドルーム1>
・天井 - 白のペイントで、換気孔が2か所。黒の汚れが2か所。
・電灯 - 白のペンダントライトが1つ。きれいできちんと取り付けられている。
・壁 - アイボリーのペイント。右側の壁にネジ穴が5か所。左側下部にひび割れ。奥の面にひっかき傷が2か所。
・窓 - 2面のサッシ窓。枠は白。防犯用網戸が1面。カギが2か所。


・・・など。

もちろんこれはごく一部の例で、こんな調子で1つの部屋だけで30項目以上はある感じです。

今度の家の場合は、3ベッドルームの一軒家。
家の正面の庭(左側・正面・右側)、玄関、ベランダ、リビング、ダイニング、ベッドルーム×3、キッチン、バスルーム、ランドリールーム、トイレ、裏庭・・・のそれぞれについて、それだけのチェックリストがありました。
16ページの書類に、ぎっしりと項目が書かれていました。


そして、1つ1つの項目すべてに、

・Undamaged(傷みのない状態である)
・Cleaned(きれいである)
・Working(正常に作動する)
・Agree(賛同する)

の4つの欄があり、UndamagedとCleanedについては、予めプロパティマネジャーがY/Nのチェックを入れてあります。

その一つ一つを、自分達で見て確認し、電気やアプライアンスなどは正常に作動するかを確かめ(Working)、書かれている内容について賛同するかどうかを、Y/Nで記入します(Agree)。

たとえば、

<ベッドルーム2>
・ドア - 白のペイント。木製フックが5つ、しっかり取り付けられている。Undamaged – Y, Cleaned – Y

と書かれているのに、実際に見てみたらフックの1つが折れていて、4つしかちゃんとついてなかった、、、という場合は、Agreeの欄にしっかりNと記入し、コメントを書いておかなければなりません。


また、書類には、プロパティマネジャーが撮影した、各ポイントのさまざまな写真が添付されているので、それも参考にできます。


これは、入居時の初期状態について、貸す側と借りる側できちんと合意しておくために、大変重要な手続きなんですね。

借主にとっては、物件の不備を「自分達の非ではない」と正式に証明することができる、重要な書類なのです。

このチェックリストを、入居から7日以内に全て確認・記入し、不動産屋に提出しなければなりません。

 

先に書きましたが、項目が膨大なため、確認作業はすごく時間がかかりました。
私達は、いつも念のため、夫と2人ですべてを確認します。
リストを読んだだけでは、何のことかわからないものも、わりとあります。
また、リストに書いてあるものが見当たらなかったり、先の例のように状態が異なる項目も、いくつかあります。

チェックリストと異なるものについては、こちらでもしっかり写真をとっておきます。

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たとえばこれは、ドアが割れています。自分達でも写真を撮っておきます。

 

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ランドリールームの戸棚。オーナーが残して行ったもの?
物や、汚れなどが、もとからこの状態であったことを、写真に撮っておきます。

トラブルにならないことが一番ですが、万が一の時のために、こうして気づいた限りの記録を取っておきます。

 

一つ一つ見て回り、3,4時間ほどかかりました(汗)。

疲れました・・・


でも、今度の家でも、すでに「バスルームの換気扇が回らない」とか、「TVアンテナが正常に動作しない」とか、問題を発見しました。
そういう項目については、AgreeにNを記入した上で、コメントを書きくわえておきます。


すべてチェックを終えて、期限内に不動産屋さんへ提出。
これで、ようやく引っ越し荷物の片づけに取りかかれます。

 

その他、引越に伴う必要な手続きのまとめは、2年前に夫が書いた記事が参考になります。

オーストラリア国内で引越し時に必要な手続きのまとめ:GITS International

 

今度の家は?

今度の家のいいところは、十分な広さがあり、間取りが機能的で使いやすいこと。

裏庭には、大きな屋根つきの場所があるので、雨の日でも洗濯物を干せるのがうれしい!

ただ、困ったことは、壁の色がビミョーです。
ワインレッドや濃い紫、ピンクなどの壁があり、正直言うと私達の趣味ではないんですが。。。(笑)

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また、今度の家では、すでに何度かネズミを見かけました。ビックリしました!
小さなネズミだけど、どこから入ってくるんだろう・・・。

古くて壊れている部分もあるし、ペイントなどは剥がれて見栄えは悪いですが、少しずつ手を加えていけば、住みやすくしていけるんじゃないか、と期待しています。立地も◎。

今度こそ、もうしばらくは引っ越したくないぞ!!


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Chieko
2013年より、西オーストラリア・パース在住。2017年永住権取得。
息子(小学生)、娘(ハイスクール)、夫と4人暮らし。

オーストラリアをテーマにしたライター。得意分野は、食、生活、子育てに関すること、子連れでの観光・旅行(キャンプ)。
趣味は料理・ガーデニング・DIY。

オーストラリア生活で私が学んできた英語のことと、大人の英語勉強法についてつづるブログ「話す英語。暮らす英語」も更新中。
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