オーストラリアの学校教育を通して思う、日本の子育てに必要なこと。

12月に入ったと思ったら、あっという間にクリスマスが終わっていた~!(汗)

みなさま、よいクリスマスを過ごしたでしょうか?
我が家は、息子が熱を出してしまい、イマイチ盛り上がれませんでした・・・まあ、そんなこともあります(^^;。

とりあえず、色々と無事に終わったので、ホッとしています。

特に、今年も子ども達の学校が終わり、息子と娘、それぞれに無事一年を終えることができました!

 

オーストラリアでは、12月の半ばに学校は終わり、一年で一番長い、夏のホリデーに入ります。

クリスマス~新年~オーストラリア・デイ(1月26日)と、盛りだくさんのサマーホリデーが過ぎた後、2月から新しい学年が始まります。

西オーストラリアの学校でも、通知表みたいなものがちゃんとあります。
プライマリースクール(小学校)でも、ハイスクール(中学~高校)でも、各教科ごとに達成度を数値化したものと、先生のコメントが書き込まれた、結構立派な書類が渡されます。

毎年のことですが、子ども達がこの一年、どんなことを頑張ってきたか、振り返って胸が熱くなります。

そしてまた、色んなことを考えさせられます。

今年一年の子ども達の成長を通して思ったことを、書きたいと思います。
ごくプライベートなことではあるんですが、少しでも多くの方の参考になれば・・・と思って書きます。


中学校3年生にあたる娘、この一年の成長。

娘は今年、ハイスクールのYear9でした。日本では、同学年のお友達は中学3年生。高校受験の年です。

こちらでは、Year7~Year12(18歳)までが「ハイスクール」という、いわば中等教育というくくりになっているので、高校受験などはありません。

そういう意味では、日本の中学生に比べると、のびのびとした学校生活を送っています。
(とはいっても、定期テストや成績評価のための課題提出などはあります。成績が悪いと留年も。。。)

実際今年は、娘の口から何度も「学校が楽しい~♪」という言葉が出てきたので、それが親としては何より励みになりました。


学年の終わりになると、学校では、優れた生徒、がんばった生徒に対して表彰のオンパレードになります。
こっちの学校は、本当に子どもをよく褒めますね。

そして自慢のようになっちゃいますが(すみません!)、娘はビジュアル・アートの授業でエクセレント賞、テキスタイル(縫い物の制作)とサイエンスの授業で努力賞を獲得しました!

本人は本当にうれしかったようだし、私も親としてうれしかったです。

 

娘がこちらの学校に入ってから、特に「英語環境で学習する」という点においては、色々と苦労してきました・・・。
このブログでも何度も書いてきましたが。

今年始めの様子 → 中学生で英語環境に入っていくのは難しい?海外移住・留学のためのヒント。

そのたびに、娘の背中を押しつつ、時には突き放して見守りつつ、さりげなくアイデアを提供しつつ、時には厳しいことも言いつつ、、、親としての忍耐力、人として自分が培ってきた信用すら、試されるような気にもなりました。


そうした経緯があるので、娘が今年、ある意味「開花し始めた」と感じられ、私は本当にうれしいです。そして、パースに来てよかったな、と強く感じました。


娘は小さい時から絵を描くのが好きで、彼女の大切な趣味です。

12歳でパースに来た時、英語が全くできない中で、クラスメイトにポケモンやドラえもんの絵を描いて見せたところ、それから「おぉーーーーー!!」となってクラス中で一目置かれる存在となったことがありました。

絵を描くことは、彼女の特技であり、たとえ「英語」の面で悔しい思いをしても、これだけは自信を持てる!という財産でした。


最近では、日本で絵を描いている社会人の人と、ネットを通じて知り合い、色んなテクニックを教わったりしているようです。

↓娘の描いた絵。娘自身に画像提供してもらいました。
日本のアイドルさん達の肖像画。仕上げはフォトショップも使ったりしています。

drawing3 drawing drawing2

さらに、学校のアートの先生にも自分の描いた絵を見せたところ、褒めてもらったとのこと!

そして先生が色の塗り方を教えてくれたり、おススメの画材などを教えてくれたりしたそうです。
一時は、休み時間のたびにアートルームに通っていたとか(笑)。

いつのまにそんな積極的になったんだろう・・・と思いました!

そして実際に、みるみる絵がうまくなっているなー、と思うんですね。

親や先生が、キビシく教え込んだわけではない。。。ただ好きで、さらに人に褒めてもらったり、より向上するアドバイスをもらえることで、どんどんレベルアップしていくんです。
そんなふうに子どもが成長する姿を、目の当たりにしました。

自分から何かに積極的に取り組む姿勢。
教えられたことをこなすだけじゃなく、「もっと良くなるためにはどうしたらいいだろう???」と追求する姿勢。
そして人にアドバイスを求めたり、機会を求める積極性。

そうした姿こそが、今回のビジュアルアートの表彰につながったんじゃないかな、と私は思いました。


日本の学校では、たとえば「学校でまだ習っていない漢字は使っちゃいけない」とか、「授業でまだやっていない公式は使っちゃいけない」とか・・・?
言われますよね。

先生が教えたこと以外を生徒がやろうとすると、むしろ減点されます。

そういう中で、生徒は「先生から教えられたこと以外を自主的に学ぶことは、よくないことなんだ」と思ってしまうでしょう。

日本の学校教育のこうした点については、正直、私はすごく疑問を感じてきました。


こちらでは、学校で教えることはある意味基本的なことで、そこから生徒自身が興味を持ち、自主的に学習を発展させていくことは、否定されるどころか、おおいに評価されます。
先生はむしろ、「すごいね!もっとやりなさい!」「こうしたらもっといいんじゃない?」とアドバイスをくれる。
そんな中で、生徒は自分の能力を発揮する術を知り、そしてまた、自分はこれが得意なんだ、と自覚することができると思います。

こちらの教育は、生徒の良い面をどんどん自覚させ、それを発展させていく教育。


娘のこの一年の成長を見て、本当にうれしく思いました。


来年は、ハイスクール卒業後の進路をも視野に入ってくる学年になります。
難しさも増してきますが、今年の評価を糧に、より一層の成長を楽しみにしたいです。

 

小学校一年生、息子の成長


息子についても、過去にブログで書いてきました。

パースで子育て。5歳の息子が学校に持っていくものは・・・?

彼は物を作ることが大好きで、Year1になった今年も、家で工作したモノを学校に持っていっていました。

彼の工作は、どんどんレベルアップしていて、面白い(笑)。


tomatoy1 tomatoy2 tomatoy3

乗物から、ポケモンまで(笑)。
それも、全て写真や画像をネットで探してきて、それを見ながら忠実に作り上げるのです。


今年も息子の作品を面白がってくれたクラスメイトに感謝!
そして、寛大に見守ってくれた先生にも、感謝です。

12月に入ってからは、今年学校でやってきた課題や作品を、いーーーっぱい持ち帰ってきました。
それらを眺めながら、やはりこの一年の成長ぶりに、感動しました。

 

特に面白かったエピソードを紹介したいと思います。

ある時息子が、「来週学校の授業でおもちゃ作りをするんだ。自分はロケットを作る予定なんだけど、ロケットを飛ばすために(浮かぶ)風船が必要なの。だから来週の金曜日には風船を持っていかないといけない。」と言いだしました。

はぁ~???浮かぶ風船って・・・。

なんだかよくわからない。
しかも、本当に風船なんて学校に持っていってイイの?
大丈夫???

と私は思いました。

先生にも確認したところ、「その通り。子ども達は授業で、自分が考えたおもちゃを作ることになっている。それに必要なものは何でも持ってくるように、って言ったわ。何でも試してみなさい!と言ってあるの(笑)。」ということでした。

そんなわけで、おもちゃ作りの前日の夜に風船を買いにいき、ヘリウムガスをしっかり充填してもらって、「授業の時まで持つかな~」と若干心配しながら、学校に持っていきました。


・・・その授業のレポートが、コレでした。

 ballonrocket1 

まず、息子の計画。こういうおもちゃのロケットを作る、というデザイン図。
浮かぶ風船の下にロケットをつけるので、空に飛ぶ。という計画です。

 

そして、どうなったか、というレポート。

ballonrocket3

Q:計画通りにおもちゃは動いたか?

→ 動いた。

Q:どんな問題があったか?

→ ロケットを(風船に)つけたら、沈んでしまった。

Q:どうやってその問題を解決したか?

→ 色々と試してみて解決した。(ロケットのかわりに)宇宙飛行士をつけたら、浮かんだ。

Q:もしもまたそのおもちゃを作るとしたら、何を変える?

→ 違うものをつけて、浮かぶようにする。


そして、浮いている宇宙飛行士の写真が添付されていました。

ballonrocket2


最初に息子が作ったロケットは、ラップの芯などを使っていたのですが、それがきっと重過ぎたのだと思います。コピー用紙で作った宇宙飛行士なら、軽くて浮かんだのです。


息子は思った通りにロケットが飛ばず、その時はちょっとがっかりしたようでした。

でも、私は素晴らしい経験ができたと思ったんですね。

自分が計画し、それがうまくいくかどうかを、自分でやってみる。
うまくいかなかったら、どうすればよいか、改善してみる。

その一連の過程を、生徒自身に体験させる、ということが、すばらしいと思いました。

 

ここには、あらかじめ用意された答えも、道筋も、ありません。

おそらく先生は、多少のアドバイスはしたかもしれないけれど、「これは使っていい」「これは使っちゃダメ」などは、一切言わなかったと思います。

子ども自身が自分で考え、やってみる。

それが大切なことだな、って思いました。

そういう授業が先生の裁量でできる、というこちらの学校教育の制度が、やはり素晴らしいと思います。

 

考えてみれば、日本では、子どもが「やってみる。失敗する。それを元に改善する。」という過程を味わう機会が、少ないなーと思います。特に学校教育の中では。

子どもは失敗する機会がないし、失敗すると、批判されたり、嘲笑されたりしてしまう・・・。

でも、こちらの教育の中では、「失敗」がネガティブなことだと思われていません。

失敗はチャレンジした証であり、その経験を基に、改善し、ステップアップしていくことこそ、重要なのです。

こういう中で、息子は好奇心を失うことなく、学校生活の中でむしろそれを発揮し、成長していったと実感します。

 

 

今の日本で、子育て・教育に必要なものとは・・・

今年は、夫と私の中では、「海外で生活を再構築する」ことの厳しさ、持久力を強いられた年でもあったなー、と思います。

そんな中でも、私達の心が折れず、がんばってこられたのは、子ども達が元気に、それぞれ自分らしく成長できているから。

この一年、子ども達の成長を支えてくれたすべての人達に、心から感謝したいです。


日本でも、今年一年を振り返る時期に来ていますが、「保育園落ちた日本死ね」や、大企業「電通」の新入社員自殺、など・・・これまで日本社会で当たり前に維持されてきた「生活」や「仕事」の形が、限界に来ているんだな、、、と考えさせられるニュースがありました。

天候の影響による野菜の価格高騰も大きな話題になりましたが、「収穫量が少なく利益が出ない」と嘆く生産者、「野菜が高くて買えない」と嘆く消費者、そのはざまで「利益にならない」価格で売るしかない販売者・・・誰もが幸せになれない構図には、考えさせられました。

「なんのために働くのか?」「どんな生活がしたいのか?」ということについて、日本人は大きく価値観を転換させなければならない時期に来ている・・・と感じます。
今までのやり方では、行き詰まることは目に見えています。

多くの人が、政府への不満を口にします。

でも、「このままではいけない」ということはわかっていても、「では、こうしてみようか?」というところで、誰もアイデアがない。

それこそが、行き詰まっている、、、ということ。


本当はこんな時こそ、与えられた価値観に頼るだけでなく、

「自分はこんなことを大切にして、こんなふうに生きて行きたい。」

と考えて行動する積極性だったり、

「よりよくなる方法を試してみよう。失敗したら、それを元に改善していこう。」

と工夫して新しいものを生み出していく創造力だったり、、、

が重要なポイントになるんじゃないかと思います。

 

でも日本では、教育の場だけにとどまらず、社会全体で、そういう能力を育てることに重点が置かれていないと感じます。

どんなにいい学校を出て、大企業に就職しても、生涯満ち足りた生活が保てる保証はないこと・・・
もうみんな、気づいていますよね?

それでも、他にどんな生き方があるのかわからないから、親はとりあえず子どもを塾に行かせ、勉強させ、名門と言われる学校を受験させる。
それが本当に、その子に合っていることでしょうか???


凝り固まった日本の社会の中で、こうした価値観や生き方を変えていくのは難しいかもしれません。が、子育て中の方なら、せめて家庭の中では、お子さんが自分の良さに気付いて自信を持てるよう、そして失敗を恐れず新しいことに挑戦していけるよう、強くサポートしてあげてほしいです。

オーストラリアでの子ども達の成長を伝えることで、日本で子育てに悩む皆さんを少しでも励ますことができたら、うれしいです。


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Chieko
2013年より、西オーストラリア・パース在住。
6歳の息子、14歳の娘、夫と4人暮らし。

オーストラリアをテーマにした、家庭料理研究家。ライター。得意分野は、食、生活、子育てに関すること、子連れでの観光・旅行(キャンプ)。
趣味はガーデニング・DIY・音楽。英語勉強中。
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