豪&NZの農業情報誌「ウェルス」。このブログから生まれた連載「パースで暮らす」が月1回掲載されています。今月分の連載が、本日号の誌面に掲載されました!
今回のテーマは、実はオーストラリアと関わりの深い、アノ日本食材について、です。
当初は、6回を予定していたこの連載ですが、このたび延長が決定しました!
読者のみなさま、担当者の方、いつもありがとうございます。
誌面では素敵なレイアウトをしていただいていますが、内容のみウェブ上でも読むことができます。
ぜひ、チラ見していただけるとうれしいです♪ → ウェルス「パースで暮らす」
気が付くと、秋も深まり冬まで目前、のパース。
今夜から週末にかけて、また暴風雨が予想されています。外出には注意しないと・・・ですね。
ところで、我が家の食卓には、ほぼ毎日といっていいほど、スープが登場します。
和風・洋風・中華風・・・と色んなバージョンで作ります。
夏でも結構作りますが、特に寒い季節になってくると、スープは欠かせないメニューですよね。
オーストラリアのレシピを見ていたら、大麦(barley)をスープに入れるんですよね。
試しに作ってみたら、麦のプチプチした食感と、スープに染み出したほのかな甘みが、結構おいしくて。
ちょっとゆでるのに時間がかかってめんどくさいんですが(笑)、時々登場する食材になりました。
(今度レシピを載せたいとおもいまーす)
こちらでは、他にも、大麦をゆでて、キヌアのような感覚でサラダに用いたりもするようです。
大麦。オーストラリアでは、スーパーで普通に買える食材です。
さて、こんな季節。やっぱり温かいお茶が飲みたくなります。
普段、食事の時の飲み物といえば、我が家では普通に水を飲むんですが、寒い季節は食後に温かいお茶があるとうれしい。
料理用に買った大麦を見て、
麦・・・麦・・・麦茶、作れないかな???
と、ふと思いました。
日本では、毎日のように飲んでいた、麦茶。
暑い時は冷やして、寒い時はホットで・・・。
日本では、お子さんのいる家庭では、麦茶を常備している場合も多いんじゃないでしょうか?
我が家も例にもれず、そうでした(^^)
何よりカフェインがなく、子どもや妊婦さんが飲んでも安心なこと。
緑茶のように苦くなく、甘みがあって、子どもも飲み易い。
カリウムなどのミネラルが豊富とか、健康によいとのうわさもありますし、まあとにかく、ジュースを飲むよりは断然健康的!
水だとちょっと味気なくて飲む気になれない時、麦茶は大人にも子どもにもちょうどよい飲み物でした。
なつかしい~!のみたーい!
麦茶の原料って大麦なんだから、これを焙煎したら麦茶になるんじゃないのかなぁ~。
そんな発想で、ネットを調べながら、やってみました。
・・・できました!
というわけで今回は、海外在住の皆様へ贈る!料理用の大麦で作る、自家製麦茶の作り方です。
日本からの輸入物麦茶を高い値段で買わなくても、ローカル産の大麦を使ってお手軽にできますよ~
大麦はどこで買う?
オーストラリアでは、スープなどに使う料理用の大麦は、Pearl Barleyという名前で売っています。
外皮を取り除いた大麦だそうです。
スーパーでは、オーストラリア産の大麦が、こんなふうに袋に入って売っており、簡単に入手することができます。
近所のスーパーで買ったこれは、500g入りで$2以下でした。スープ用の豆などが売っている棚にあります。
とりあえず試しに、こういう手軽なもので作ってもよいですし、好みで、オーガニックのPearl Barleyを使い、こだわって作ることもできますね。
中身の大麦はこんな感じ。
麦茶の作り方のポイント
大麦は、料理に使う時もそうですが、最初にザッと水で洗います。
麦茶を作る場合は、洗った麦をよく乾かします。
私の場合は、朝洗って、ペーパータオルを敷いたかごに大麦を広げて入れ、布巾で上からカバーをして(ほこりよけ)外に干しておきます。
天気の良い日限定ですけど。。。
やりやすい方法で干してください。
乾いたら、大麦を炒って行きます。
私は、ゴマを炒るための小鍋を使って、炒っています。
鍋に大麦を入れ、中火にかけ、木べらでかき混ぜながら温めていきます。
鍋をゆすったりしてもよいです。
基本的にゴマを炒る時と同じような感じですが、大麦を炒る時はもっと時間がかかります。
念のため・・・ゴマの炒り方
火が通ってくると、すこーし麦がふっくらしてきて、だんだんと茶色に色づいてきます。
色が濃くなってきて、フワーッと焙煎された麦の豊かな香りが漂って来ます。
・・・これが、至福。
なぜか、すごーく気持ちが落ち着く香りなんです。ヒーリング効果ありますよ、ゼッタイ(笑)。
最初はちょっと勇気が入りますが、若干焦げちゃったかな?と思うくらいに焙煎する方が、香り高くおいしい麦茶ができます。
コーヒー豆みたいに濃いセピア色になってきたら、出来上がり!
ちなみに、これが炒り始めの色。
そして下が、出来上がった時の色。
炒る時間は、次項に載せるレシピの分量で、だいたい15分くらいです。
好みで、軽めに焙煎すれば、穀物の味が前面に出た、まろやかなお茶になります。
大麦で作る、自家焙煎麦茶のレシピ
ちょっと試してみよう・・・と軽い気持ちでやってみた、自家焙煎の手作り麦茶。
これが、思っていた以上にカンタンにできました!
以下に、我が家で作る時に作りやすい、一回分の分量と手順をまとめておきます。
所要時間には、大麦を洗って乾かす時間は含まれていません。
自家焙煎で作る麦茶
By 5月 20, 2016
公開:- 出来上がり量: 大麦約150g
- 調理時間: 15 分
オーストラリアのスーパーで手軽に買える大麦(Pearl Barley)を使って、自家焙煎で麦茶を作る方法。
材料
- 大麦(Pearl Barley) 150 g
作り方
- 大麦は水で洗い、天日干し等でよく乾かす。
- 小鍋に1.の大麦を入れ、中火にかける。
木べらなどを使い、たえずかき混ぜながら、炒る。鍋をゆすってもよい。
- 15分ほど炒って、麦がこげ茶色に色づいたら、できあがり。炒り方のコツについては本文参照。キッチンペーパーを敷いたお皿などに空けて、冷ます。
- 普通のお茶のように入れてホットティーに。しっかり煮出した後、冷たく冷やしても。お好みの飲み方でどうぞ。
- 難易度: 簡単
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驚くほど簡単。しかもコツいらず!
とりあえず、普通のお茶のように急須に焙煎した大麦を入れ、お湯を注いで味を出し、飲んでみたところ・・・
赤ちゃんの時から、ずーっと麦茶を飲んで育った娘の第一声。「麦茶だ!麦茶の味もう忘れたかと思ったけど、思い出した!」
同じく、赤ちゃんの時から麦茶を飲んでいた息子は・・・「もっと飲みたい」
特に息子は、もともとお茶が好きな子なんですが、この麦茶はとても気に入ったみたいです。
日本で飲んでいた麦茶と比べると、どうしても色が薄いのですが、日本で一般的に売られている麦茶のティーバックは、麦を粉砕してあるものが多いそうです。
そのため、色が濃く出やすいのかな・・・?
ただ、味と香りに関しては、私は特に物足りなさは感じません。とても素朴な味わいです。
暑い季節になってきたら、冷やし麦茶も作りたいと思います。
オーストラリアの大麦(Barley)事情
大麦は、オーストラリアでは、小麦に次いで生産が盛んな穀類ということです。
東はクイーンズランド南部からNSW州、ヴィクトリア州、南オーストラリア州東南部沿岸。西オーストラリアではWheatbelt(西オーストラリアの穀倉地帯)を中心に、広範囲で生産されています。
オーストラリアで生産されている大麦のうち、約70%強が食用、残りの30%弱が、ビールやウイスキーなどの醸造用の麦芽として生産されているそうです。
そうそう、オーストラリアでは、ローカルビールも多いですよね。
たくさんの個性あるブルワリーが、コダワリのおいしいビールを作っていますが、なるほど納得です。
また、輸出用の作物としても、大麦は大きなポジションを占めているそうです。
オーストラリアの大麦は、もちろん日本にも輸出されています。
たとえば西オーストラリアで生産されている大麦は、焼酎の醸造用に、日本にもたくさん輸出されているそうですよ。
また、ネットでザッと調べてみたところ、日本の会社で作られている麦茶の中には、オーストラリア産の大麦を原料にしているものもあるようです。
実は日本にいても、私達は知らず知らずのうちに、オーストラリア産の大麦の味を知っているのかもしれません。
そして私がこうしてパースで作っている麦茶と同じものが、実は日本でも飲まれていたりして・・・
なーんて思うと、なんだかおもしろいな。
ちなみに、大麦についてネットで調べているうちに、英語版ウィキペディアでRoasted barley teaという項目を見つけました。
これまさに、麦茶ですよね。
麦茶は私が思っていた以上に、インターナショナルな飲み物だったのですね・・・!?