西豪州の世界遺産モンキーマイアへ。チープな家族旅の記録~帰り道でガス欠?

今年の頭に家族で行った、モンキーマイアをめぐるキャンプの旅。

前回の記事、

西豪州の世界遺産モンキーマイアへ。チープな家族旅の記録~美しい町カルバリ。

に書いた通り、美しい海辺の町カルバリ(Kalbarri)を満喫した私達。

後は家に帰るだけ。

の、はずが・・・???

最後に予想外のハプニングで幕を閉じる、チープな家族旅の最終章。

 

 

ピンク・レイク

 

カルバリから海沿いを南へ下っていきます。

前日に泊まったキャンプサイト(Wagoe Chalets)を通り過ぎ、南へ・・・

Map4-2

ほどなくして、Hutt Lagoonという湖が見えました。

それが、白くキラキラ光っているのです。

地図を見ると、別名Pink Lake と書いてありました。

え、ピンク???

そのうち、ある地点までやってくると、水面がピンク色に見えました。

湖の方まで近づけそうな道を探し、行ってみると・・・

day4-5

わー、ホントにピンク色の湖だ!!

 

day4-6

この湖は、塩湖なんだそうです。
水が乾いて白くなっているのは、塩の結晶でしょうか。

そして、湖がピンク色に見えるのは、カロテノイドという色素を生成する藻類が湖の中にいるからだそうです。

本当に、みごとなピンク色・・・幻想的な風景です。

こんな景色が見られるとは思っていなかったので、偶然目にしたこのピンクレイクは、ちょっと衝撃的でした。

わー、イイもの見たなぁ~!

 

さらに、南へ・・・パースを目指してひたすら南下していきます。

 

パースまで200km、まさかのガス欠?

 

行きに立ち寄ったジェラルトン(Geraldton)を通り過ぎ、Indian Ocean Driveを進みます。

夕方になり、夕ご飯をどこで食べようという話になり、ジュリアン・ベイ(Jurien Bay)の町に行ってみましたが、結局その先のサバンティーズ(Cervantes)まで行くことにしました。

この辺まで来ると、今まで何度か来たことがあるので、気分はもう半分、パースに帰ってきたような感じ・・・

Map4-1

サバンティーズで、軽くフィッシュアンドチップスを食べました。
トイレなどを済ませ、再び車に乗り込みます。

夫は運転しながら、「そろそろガソリンを入れないとなぁ・・・もうちょっとパースに近づいた方が安いんだけどなぁ~」と言いながら、サバンティーズの町を出て、Indian Ocean Driveへ戻りました。

 

Indian Ocean Driveを走っているうちに、夫の様子がちょっとおかしくなりました。

「心配だ・・・」

ガソリンのEmptyマークが点いています。

夫の計算では、この車の給油タンクの容量なら、まだ余裕で走れるはずでした。
でも・・・

サバンティーズから、次の町ランセリン(Lancelin)までは、約80km。
Emptyマークに気が付いたのは、たしか、ランセリンまで50kmくらいの地点でした。

えー、こんなところで、ガス欠になっちゃったら、どうしよう・・・

 

街中でEmptyマークが点くのとは、わけが違うのです。
ここは、西オーストラリア。

市街地なら、10kmも走らなくてもガソリンスタンドは見つかるでしょうが、ここは、パースから200kmなのです!

次の町まで、数十キロ・・・なーーーんにもないブッシュランドの真っただ中なんです!!

たのむよ・・・

 

夫も私も無言で、ランセリン目指して走りました。
子ども達は、お気に入りのCDを聞きながら、盛り上がり中。

 

なんとかIndian Ocean Driveからランセリンの町へ続く道へ、入ることができました。

しかし、そこからまた数キロ。

遠い。

 

焦り始める夫。
でもなんとか、ランセリンの町へたどり着くことができました。

ガソリンスタンドを発見!

が・・・すでに灯りが消えています。
営業終了・・・

そこからしばらく進んだところで、ついにガソリンが底を点きました。
エンジンが止まってしまいました・・・

 

まさかのガス欠。

こんな場所で・・・

あたりはもう暗く、ここがどこかもわかりません。

頭が真っ白になる、夫と私。

 

ランセリンで過ごした一夜

 

しばしの間考えた後、近くの酒屋さんがまだ開いていたので、他のガソリンスタンドがないか、とにかく情報を仕入れに夫が行きました。

私は車で子ども達と待っていました。

どうなるんだろう・・・と思いながら、キャンプ用品の中からライトを探し出しました。

息子は、車が止まってしまって不安そうにしていましたが、娘が気を紛らわすように遊んでくれていたので、とても助かりました。

ちょっとあたりを見回してみたら、実はすぐそばに大きな公園があり、ちゃんとトイレもあることがわかりました。
そして、遊具では(こんな暗い中)まだ遊んでいるファミリーがいました。

飲み水もまだあるし、多少は食べ物もある。
トイレもいけるし、歯磨きもできる。
基本的な生活用品は、持っている。
サイアク、車で一夜を過ごしつつ、夫と二人でガソリンスタンドまで車を押していくか・・・
何にしても、夜が明ければ、何かしら手立てはあるだろう。

なんて考えていました。

むしろ、ブッシュランドのど真ん中でガス欠という、最悪の事態を免れたことに、ちょっと安堵していました。
もしもこれがシャークベイだったら・・・車通りも断然少ないし、携帯の電波も届かない。
それに比べたら、ここだったら何とかなるだろう。

そんな風に思いました。

 

その間夫は・・・

ランセリンは、海辺の町なので、ボートを持っている家も多いです。
ボートがあるということは、ガソリンのストックを持っているかもしれない、ということで、何軒かのお宅にガソリンを分けてもらえないか、お願いに行ったそうです。

そしてその中の一人の方が、様子を見に来てくれた!

その後、なんと親切に、ガソリンを持って来てくれたのです。

おかげで、私達の車は、なんとかエンジンをかけることができました。
少量なので、パースまで帰ることはできないけど、翌朝ガソリンスタンドまで行くことは、できる!

さらに、すぐ近くにキャラバンパークがあったので、夫はそこを訪ねてみたそうですが、事情を話したら、遅い時間にも関わらず、受け入れてもらえるとのこと。

なんとか車を動かすことができ、一晩寝る場所を確保することができたのです!!

そこのキャラバンパークで急いでテントを張り、寝る物だけ用意して、シャワーも入らずに寝ました。
まさか、ランセリンでもう一泊することになろうとは・・・

今までのキャンプ場は、風が強かったけれど、このキャラバンパークは風が穏やかで、下も芝生で柔らかく、ホッとしたのと、疲れとで、家族みんな、今までの中で一番ぐっすり眠れました。

 

朝になって、7時半には出発。
受付のおじいさんに、お金を払おうとすると、いらないよ、と言われました。
そして、「気をつけて行くんだよ。今日は暑くなるからね。」と言って、私達家族を送り出してくれました。

ランセリンの親切な人々に出会い、本当に助けられました。
自分たちの落ち度なのに・・・

無事にガソリンスタンドで満タンに給油し、今度はちゃんと、家までたどり着くことができました。

 

このキャンプ旅行が残したもの

 

それにしても・・・

本当に、前もって給油しておけばよかった、ただそれだけです。
反省あるのみ。

先にも書きましたが、これが本当に、町から離れた人気のない場所だったら、どうなっていたかわかりません。
命に関わる問題になり得たかもしれません。

こんなことが二度とないよう、夫には強く反省してもらうと共に、私自身も給油メーターをしっかりチェックしておくべきだった、と反省しました。

ここまで、チープで楽しい旅をしてきたのに、最後にレスキューを呼んで高額請求なんて、シャレにもなりません。

思えば、ジェラルトンより北、特にシャークベイを回る時は、給油ポイントをあらかじめ調べて、余裕を持って給油していました。
やっぱり、何もない場所を長距離走る、ということで、慎重に計画を立てていたんですね。

ですが、帰りは、ジュリアン・ベイを過ぎたあたりから、何度か来たことがあったので、つい油断してしまったように思います。
今までに比べたら、ずっとパースに近い感覚で。

最後の最後まで、気を抜いてはいけないな。

改めてそう思いました。
新年の頭に、ある意味よい教訓になりました。

今年は、パースに来て3年目に入るのですが、こちらの生活にちょっと慣れてきた今だからこそ、油断してはいけないな。
犯罪やトラブルに巻き込まれないように、改めて気を引き締めて、この一年を過ごさなくては、と強く思いました。

 

そして、ランセリンで助けてくれた人達の親切は、本当に忘れられません。

今まで何度か訪れたことのある、ランセリンという町。
このブログの一番最初の記事の写真も、ランセリンの海です)

やっぱり私達家族にとって、この町は特別・・・海は美しいし、人々は温かい。

 

というわけで最終的には、忘れられない、とても思い出深い、素晴らしい家族旅になりました。

キャンプは大変だけど、食べること、寝ること、トイレにいくこと・・・そういう、生きる上で当たり前のことが、いかに大切であり、大変であるか、実感できるよい機会だなーと思います。
そしてまた、格安で、宿泊場所を転々としながら、あちこち見て回るのも、広いオーストラリアを楽しむにはうってつけの方法だな、と思いました。

子ども達も、またキャンプに行きたい!と言ってくれています。
この旅行が、彼らの心に残ってくれていたら、親としてもうれしいですね。

(おわり)

 

 


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Chieko
2013年より、西オーストラリア・パース在住。2017年永住権取得。
息子(小学生)、娘(ハイスクール)、夫と4人暮らし。

オーストラリアをテーマにしたライター。得意分野は、食、生活、子育てに関すること、子連れでの観光・旅行(キャンプ)。
趣味は料理・ガーデニング・DIY。

オーストラリア生活で私が学んできた英語のことと、大人の英語勉強法についてつづるブログ「話す英語。暮らす英語」も更新中。

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