前回の記事では、「オーストラリアの日焼け止め、どんな成分が入っているのか?」「どんな規制になっているのか?」について説明しました。
ぜひ前回の記事を読んでから、この記事を読んでいただけると、話がよーくわかるんじゃないかと思います!
オーストラリアで子どもに安全な日焼け止めを選ぶために!基礎知識。
オーストラリアは確かに、紫外線による皮膚がんが深刻です。
日本では、日焼け止めといえば「美白」などの美容目的で、さまざまなものが販売されていますよね。
安全性や効果なども、かなり研究されているような感じがします。
一方オーストラリアでは、有害な紫外線から身を守るために、日焼け止めを使うことが推奨されています。でも、オーストラリアの日焼け止めに関する規制、ちょっと気になる面もありますよねぇ・・・。
しっかりと成分表示を確かめて、自分に合ったものを選ぶことが大切ではないか、と感じました。
ところで、私のように子育て中の家庭では、「オーストラリアでの子どもの紫外線対策」って、結構気になるんじゃないかと思います。
子どもに日焼け止めを使わせたいけど、どんなものを選んだらよいのだろう・・・。
前回の話もふまえ、パースでよくみかける子ども向けの日焼け止めや、我が家で使っている日焼け止めの使用感などを紹介したいと思います。
オーストラリアの子ども向け日焼け止め製品、成分は?
「子ども向け」の日焼け止めというと、小さい子の柔らかい肌にもやさしい、刺激の少ない、そして成長ホルモンなどに影響を与えるリスクがない素材が使われている・・・ハズ!
というイメージがあると思います。
実際はどうなんでしょうか?
うちの近所のお店で、よくみかける「子ども向け」日焼け止めをいくつか調査してみました。
1.Cancer Council Kids Sunscreen (クリームタイプ)
オーストラリアの『定番』日焼け止めメーカー、Cancer Councilの子ども向け日焼け止めクリーム。
我が家も使ったことがありますが、軽いテクスチャーで確かに塗りやすい。
でも・・・日本では使用が認可されていない、4-methylbenzylidene camphor (4-MBC) が、主要成分となっています(汗)。
他にも、アレルギー症状を引き起こす可能性がある、Butyl methoxydibenzoylmethane も、同量含まれます。
2.Cancer Council Peppa Pig Sunscreen (ミストタイプ)
オーストラリアのキッズに大人気のアニメ、Peppa Pig。そのキャラクターをデザインしたこちらの日焼け止めですが。。。上のCancer Council Kidsと、成分も含有量も同じになっています。
3.Banana Boat Kids (ミストタイプ)
オーストラリアでメジャーな日焼け止めブランド、Banana Boat の子ども向け日焼け止め。
こちらも、主成分は Butyl methoxydibenzoylmethane と 4-methylbenzylidene camphor (4-MBC)。
Cancer Council の製品と似ていますね。
4.Banana Boat Baby (ロールオンタイプ)
こちらは、Banana Boat の ベビー用日焼け止め。
やはり、Kids用と成分は同じ。
5.NIVEA Sun Kids Roll on Sun Lotion (ロールオンタイプ)
日本でもメジャーなニベアの、キッズ向け日焼け止め。
こちらは、酸化亜鉛(Zinc oxide)が主成分となっており、紫外線散乱剤の効果が主になっています。2番目の成分であるMethylene bis-benzotriazolyl tetramethylbutylphenol は、紫外線吸収剤ですが、人体への影響としては比較的マイルドと考えられているものです。
これまで紹介した中で、私が選ぶとしたら、これかもしれないなぁ・・・。
ただし、やはり 4-methylbenzylidene camphor (4-MBC) が使われているのが気になります。
子ども向けの日焼け止めなのに、100%安全といえない成分を、メインに使っちゃうんですね・・・(汗)。
もちろん、完全に「人体に影響がある」と証明されたわけでもないのですが。。。「日本では認可されていない」と知ってしまうと、ちょっと子どもには使わせたくないな~というのが、正直なところ。
まあ、もちろんその人それぞれの考え方ですが。
どちらにしても、ちゃんと理解した上で使いたいですよね。
日焼け止めをめぐるトラブルが続出・・・?
ところで今年の夏、こんなオーストラリアのニュースを見ました。
なんと、日焼け止めを子どもに塗ったら、塗った部分だけが真っ赤にただれてしまった・・・ということです。
同様のケースが立て続けに2件、ニュースになりましたが、一つはCancer Council Peppa Pig SPF50のサンスクリーン。もうひとつは、Banana Boat の SPF50 サンスクリーン。
ニュース記事に、画像が載っていますが、本当にヒドイです(涙)。
使われた製品が、上に紹介したものと同じかどうかはわかりません。でも、成分はかなり近いんじゃないか、と思います。
メーカーは、製品には特に問題ないし、安全性のテストも行っている、と主張していますが・・・前回まとめた内容も考えると、紫外線吸収剤の影響では?と私自身は思ってしまいます。特に、Butyl methoxydibenzoylmethane と 4-methylbenzylidene camphor (4-MBC) が主成分というのは、場合によってかなり強力な化学反応を起こすのかもしれません・・・。
このような報告は、今回が初めてではないらしいです。
やはり、使うのがちょっと怖いですよね。
使いたい場合は、最初にパッチテストを行っておくのがよいでしょう。
紫外線散乱剤に酸化亜鉛のみを使用した Invisible Zinc
今のところ我が家で使っているのが、UVカット成分として酸化亜鉛(zinc oxide)のみを配合、という、Invisible Zinc シリーズ。
パラベンなども不使用で、比較的シンプルな製品だと思います。
ただ、とにかく白い!
しっかり塗ろうとすると、本当に顔が白くなります(笑)。
どうしてもベタつくので、子ども達は塗りたがらないです。でも、イヤなのワカる。。。
また、紫外線をしっかり防ぎたいと思ったら、どうしてもSPF50を選びたくなりますが、この製品に関しては、SPF30の方がおすすめです。
「酸化亜鉛のみ配合」という、シンプルさにこだわりつつ、許容できる使い心地を同時に実現するなら、SPF30が限界かな・・・という感じでしょうか。SPF50は本当に生地が固くて、肌に乗りにくいです。SPF30 のものを、しっかり適切に塗る方がよいかな、と思います。
また、これは私の勝手な推測ですが、金属アレルギーの方は、稀に肌のかゆみや赤みなどの症状を起こすかもしれません。
夫は金属やケミカルにアレルギー反応を起こすのですが、この日焼け止めは肌に合わないようでした。
私自身も、微妙にかゆく感じることがあります。
対策として、ボディクリームなどを塗って、その上から日焼け止めを塗ると、わりとラクに過ごせます。
安心して使える、ということで取り上げるとしたら、この日焼け止めかな。
しかしながら、「コレ!」と満足できるオーストラリアの日焼け止めには、まだ出会えていません・・・。
色んな方法で効果的に日焼けを防ぐ!
また、日焼け止めの選び方だけでなく、塗り方によっても紫外線防御の効果は変わります。
オーストラリアのガイドラインによると、日焼け止めは「2時間ごとに塗り直す」「水で濡れた後は塗り直す」「十分な量を塗る」ことが大切だそうです。特に、十分な量を塗らないと、いくらSPFが高いものを使っても、その効果が薄まってしまうそう。
塗る量の目安としては、
- 顔や首に小さじ1
- 肩まわりに小さじ2
- 腕に小さじ1ずつ
- 脚に小さじ2ずつ
だそうです。
結構タップリですね!だからこそ、しっかりと安全でよい製品を、オーストラリアではどんどん開発・販売してほしいです。
また、日焼けを防ぐ方法として、日焼け止め以外にも色んな方法があります。
オーストラリアでは、日焼けを防ぐ合言葉として『slip, slop, slap』というのがあります。
Slip = 衣服で体を覆う
Slop = 日焼け止めをつける
Slap = つばの広い帽子をかぶる
さらに、日陰で過ごす、サングラスをかける、なども紫外線対策として推奨されています。
日焼け止めのパッケージにも、これらの対策を同時にするよう、注意書きがされています。
日焼け止めを塗っているから、時間を気にせず日焼けしてよい、というわけではないんですね。
ちなみにパースの小学校では、子ども達が屋外で活動する時は、必ずつばのついた帽子をかぶらなければなりません。
帽子を忘れてしまうと、休み時間に外で遊ぶことができないルールになっています。
日焼け止めも利用しながら、かつ、帽子や衣服、活動場所を配慮するなど、さまざまな方法を組み合わせて紫外線対策を行うことが、大切なんだなぁ~と思いました。